
早稲田大学の建築学科を卒業した建築家梵寿綱(田中俊郎)。
その母校の傍にあるのが同氏作の『ドラード和世陀』というマンションです。
これは氏が一人で作ったものではなく、
「梵寿綱と仲間たち」といわれる人々との作品で、
陶芸家、鍛冶屋、ステンドグラス作家、木彫造形家、ガラス彫刻家、
コンクリート造形家、壁がきを造る浮世絵の木版画家などいう職人集団なんだとか。
彼らの作品すべてを、ギュっと詰め込んだのが、このマンションです。
作品は他にもあるようですが、
ワタクシはこの建築物を学生時代に見て度肝を抜かれました。
当時一人一台カメラを持てる時代でも、
況してフィルムをばんばん自分で現像できる時代でもなく、
ただ記憶に留める程度でした。
でも、ずーっと記憶には残っていたもんで、
今回改めて写真に撮っておこうと考えて早稲田界隈に出向きました。

建物は6階建てらしい。

一階部分が店舗になっており、理髪店が入っています。

平らな面が無いぐらい“形”で埋め尽くされた壁面。
しかも統一された形状ではありません。

色とりどり小さなタイルで埋め尽くされた箇所もあれば・・・

別のタイルやモルタルなどで装飾されている箇所もある。

窓ガラスもステンドグラスになっており、左右で模様が異なります。

ベランダ部分には鋳物の造詣物があり、階数によってデザインが異なります。

角を飾るオブジェも鋳物。
初めはタコかと思いましたが・・・


植物の蔦にも見える。


上層階をの壁面を飾るオブジェとモチーフは同じですかね。

ベランダの天井も抜かりない。

もろフジツボ・・・
(苦手です)

看板も作品の一つ。

こちらが店舗の入口のようです。

壁面に貼られたタイルは部分によって異なります。

立体造形物も壁に付いている。


裏表で対なのかな?


ボディだけでなく、顔もあります。


タイルの画には統一感はありません。


どこかで見た絵もあるし。


ドットもある。

こちらが居住区の入口。
通路が狭いので大きな家財道具は入れにくいでしょうね。


エントランス床はモザイクタイル。
しかも平面ではありません。
車椅子には適さないかも。

通路の天井にも造形物が。
鍾乳洞みたいですね。

でも建物と隣接している部分には造形物はありません。


でも、一階部分の角は剥がれたのかな?

どこをどう切り取っても、同じ個所はない外壁です。


巾木部分っつーか、土台部分も抜かりなくタイル張り。
今回改めて思ったんだけれど、
大規模修繕ってどうしているんだろう?
外壁の洗浄や塗り直し、タイルの剥落点検とか、
もの凄く費用が掛かりそうなんだけれど。
好き嫌いはともかく、
建築物の面白さを感じさせる建物だと改めて感じました。

【ドラード和世陀】
1983年(昭和58年)
東京都新宿区早稲田鶴巻町517


