茨城県の西側に桜川市はあります。
右手で握りこぶしを作り、親指を横に出した状態にして
それを下に向けた手首上10cm程度の形が茨城県だとすると、
桜川市をは小指側の手首下辺りにあります。
そして桜川市の形を縦の楕円形とすると、
筑波山はその南側にあり、市域に筑波山を擁するつくば市に隣接します。
高低差のある二つの山頂を持つ筑波山はつくば市から見る形とは反対になり、
平坦な地域が多いため「筑波山が美しく見える」エリアの一つと言われているそうです。
また、桜川市の名は、市内の岩瀬地区の鍬柄峠付近にある鏡ヶ池に源を発し、
市内を縦断して土浦市の霞ヶ浦へ注ぐ利根川水系の一級河川「桜川」に由来します。
そんな桜川市ですが、ワタクシは文化財めぐりを趣味にするまで知りませんでした。
無論、行ったこともないし、調べたこともない。
市のホームページを見ても、観光で何を押したいのかイマイチわからん。
と、今まではそんな存在でした。
しかしこの桜川市には「真壁」という町があり、
ここは国の重要伝統的建造物群保存地区になっており、
そのうち104棟が国の登録有形文化財に指定されているんです。
もともと城下町だったそうで、
陣屋があったところを中心として古い町並みが残っています。
結構すごい場所なのに、ひな祭以外は押していないのか、
観光客が殆どおらず、お店も少ないし静か。
奥ゆかしいのか、誰にも荒らされたくないのか・・・
ホント、観光地化したい素晴らしい景観の場所です。
そもそも真壁には電車も循環バスも走っていません。
東京の暮らしに慣れたマイカーを持たない者からすれば、陸の孤島。
観光するにも桜川市のホームページには「駅からタクシーで20分」と書いてあるし。
もっとPRして、土日祝だけでも観光用循環バスを出してくれよ~と思わなくもない。
そんな中、11月21日~23日、28日・29日の5日間だけ、無料バスが走ることになりました。
それを市のHPで見て、随分前から21日に桜川市真壁町に行こうと思っていたワタクシ。
7時に秋葉原からTXでつくばまで行き、
つくば駅上のバスターミナルから「つくバス」に乗って「筑波山口」で降り、
そこから桜川市の無料バスを探した次第です。
筑波山口バス停付近にある無料バス乗り場は、この看板が目印です。
すごく分かり難くて、同じくバス停を探していたオジサマと
「これは案内板でバス停ではないかもしれない」と
先まで歩いて探しに行ったほどです。
無料バスで筑波山口から約45分で真壁町に到着。
緑に塗られたエリアが国の重要伝統的建造物群保存地区です。
元は城下町だったので真直ぐ通る道が少ないんだそうです。
無料バス「秋バス」ではスタンプラリーをやっていて、
バスが停まるうちの3箇所分のスタンプを集めるとポストカード&缶バッヂが貰えるそうです。
真壁地区ではこの「高久家」が押印場所になっています。
高久家の屋根が真新しい理由は後ほど判明します。
これは今の職人さんの手による影盛。
壁なども真新しいのですが、ここも国指定の文化財です。
改修工事で壁を耐震構造に替えたそうです(格子になっている部分)。
ここではアートを展示していました。
[星野家]
お店をしている訳ではなく、町中で切り絵などの作品展示をしているようです。
ほぼ全ての文化財は内部見学ができず外観のみの鑑賞になります。
↑ これが観光地化されない理由かも
大棟をよく見ると、熨斗瓦の漆喰が扇型になっているという芸の細かさが!
無論、ここも国指定の登録文化財です。
このランプは真新しいようですが、家の雰囲気によく合っていました。
様々な「アート」が展示してあります。
ここは、ひな祭では一番豪華な雛飾りをするお宅なんだとか。
奥に看板がある。
昔は乾物屋さんだったのかな?
今回の「秋バス」のために特別に雛飾りの一部を展示してあるそうです。
これは是非、ひな祭に見てみたいですね。
【旧真壁郵便局】
昭和初期
鉄網コンクリート造2階建、建築面積83㎡
当初は第五十銀行(現常陽銀行)の真壁支店として建設されたもの。
中心街角地でランドマークとして親しまれてきたそうです。
国登録有形文化財(建造物)です。
ここが「まちなみ案内所」らしいのですが・・・今は違うみたい。
昔の郵便局、そのままですね。
そういえば、どうして今の銀行も郵便局もこのガラスが取っ払われたんでしょうか?
防犯上はこの方が良いような気がするんだけれど。
桜川市のスタンプラリーの押印場所の一つ「真壁の街並み」のモチーフになっています。
[ムラカミ書店]
本・文具・事務用品・事務機器・印章・紙製品などを取り扱うお店です。
[宮本精肉店]
茨城県桜川市真壁町真壁198-59
向かいが真壁伝承館です。
ここでコロッケ50円という張り紙を発見!
昭和価格で、めっちゃトキメキましたが、今回はランチの目的地があったのでスルー。
「ちい散歩」で地井武男さんも食べたそうです。
[川島ストアー]
中には入っていませんが、駄菓子を売っているようです。
時が止まったかのような昭和のお店みたいでトキメキました。
表にあるガチャがものごっつい昭和でした。
骨董品じゃないの?感があるガチャ。
内容も昭和時代のものです。
まだカプセルが残っているっぽいから、100円入れれば出て来るのかもしれん。
建てめも。を作ったので、
その他の建築物についてはそちらで備忘録にしたいと思いますが、
一部、「なぜこのエリアの文化財は新しいのか」について取り上げておきます。
[増田酒店]
以前は屋根の上に大きな看板があったようですが、今は取り外されています。
鬼瓦は損壊したままになっています。
崩れたままの見世蔵と門。
2011年の東日本大震災で多数の文化財の屋根が崩れ落ちたそうです。
4年経過していますが、ブルーシートを被せたままの建物も多く残っています。
理由は、文化財ゆえに伝統工法で改修しなければならない縛りがあること。
伝統工法で改修できる職人さんが圧倒的に少ないのため、
一軒終わって、次の一軒を改修するということになるため、
4年経っても2011年に被災したままの状態になっているらしいのです。
住んでいる人は不便極まりなく、
さぞ精神的な苦痛もあるだろうなぁと思いました。
でも、こういう文化財に溢れた町は残して欲しいなぁと、勝て乍ら思います。
タイムスリップしたみたいな街並みで、
歩いていると眉村卓作品の主人公になったみたいで、妄想が捗ります。
短時間しか居られませんでしたが、是非また再訪するぞと思いました。
スタンプラリーの景品。
スタンプ押印箇所をまわり切った訳ではありませんが、
いろいろと偶然が重なりまして、頂戴致しました。
今回の「秋バス」は初めての試みだそうで、試行錯誤の連続だったみたいです。
偶然お会いした観光課の方には言いたい放題感想を述べてしまい恐縮です。
しかし是非、来年もこの「秋バス」を続けて頂きたいです。
(と言いつつ次の週末にも桜川市に伺うべく「秋バス」を利用するかも)
帰って来た今も、桜川市観光をリベンジするべく復習しているところですが、
もう少し観光パンフレットがあれば有難いのに・・・
と思わなくもない今のワタクシです。
【真壁町までの公共交通機関を利用した行きかた】
TXつくば駅から「つくバス」北部シャトルバスで「筑波山口」下車。
筑波山口バス停から山に向かって右側に50mほど歩いた辺りに
桜川市が出している無料バスの乗り場があるので、そこから乗車し、
三つめの停車場所で下車。帰りも同じルートを逆に戻る場合は、
「つくバス」の一日乗車券500円を買う方がお得です。
(普通に払うと往復800円)
桜川市観光協会のHPへ