
国民保養温泉地として第一号の指定を受けた四万温泉(しまおんせん)は、
群馬県吾妻郡中之条町にあります。
その中にある創業324年の『積善館(せきぜんかん)』は
国の登録文化財に指定されている山荘のほか、
県の重要文化財に指定されている本館がある老舗温泉宿。
「千と千尋の神隠し」のモデルになっているとも言われる場所です。
それゆえ、本館玄関前の写真を撮りに来る観光客や、
天井の高い大浴場「元禄の湯」に日帰りで入る若者がひっきりなしにやって来ます。
そんな建物に、母と一緒に泊まって参りました。
母からの誕生日プレゼントで、場所はワタクシが決めました。
千と千尋云々以前に、文化財のこの建物を観てみたかったんです。

本館に至る橋の前には真新し気な石の碑があります。



【積善館前新(せきぜんかんまえしん)】
登録有形文化財(建造物)
「元禄の湯」のある建物外観。
一階が「元禄の湯」です。


「元禄の湯」は日帰り温泉利用が可能です。


外観とは違い、内部は地下に掘れているため、天井が高くなっております。
蒸気の出口がどうなっているのかが謎です。


湯殿の入口で靴を脱いで入るとすぐに浴室があります。
浴室の一角で着替えるシステム。
内部にロッカーは無く、シャワーもない古いタイプの湯治場です。


内部は撮影禁止。
入浴中に写真を撮られたという苦情があったらしいです。


「元禄の湯」の文化財プレート。

女湯の奥・本館側「壱番舘」に待合室があり、ここにロッカーがあります。







本館の建物と軒を接して建っています。
左側が積善館の歴史資料館になっています。


歴史資料館内部。
自由に見学ができます。


竹節欄間のある帳場。


帳場の襖引手。
鶴の意匠かなと思えますがどうでしょう。


上段の間には雛壇が飾ってありました。


上段の間の襖引手。

携帯の筆記具(筆)が展示してあります。


根付もありますが、これは達磨だろうか?

[積善館本館入口]
下駄箱がありますが、今は使っていないようで、土足のまま上がります。


玄関に掲げられた許可証。
国土交通省の前身である運輸省の文字があります。

本館2階から1階玄関を見下ろす。

本館2階は山荘への連絡口となっています。


[浪漫のトンネル]
千と千尋ファンに人気の撮影スポットみたいです。
奥のエレベータで向かう先に山荘があります。

迷路のような館内。
二度ほど来れば完全に把握できるのかもしれません。


ところどころ補修はしてありますが、使われていない場所も多そうです。

本館3階からスタートする館内歴史ツアーってのもありますが、
この日は実施されていませんでした。


廊下を中央にして両側に部屋が並んでいます。


しかし、この奥は使われていないようですね。


今は使われていない部屋がツアーの集合場所になっています。


2階に降りる階段。

本館3階から橋を望む。
雪の降りが増した気がします。


【積善館廊下橋(せきぜんかんろうかばし )】
「前新」及び「向新」を繋ぐ橋。
関係者以外立ち入り禁止。


【積善館の向新(せきぜんかんのむこうしん)】
有形文化財(建造物)
現在は、従業員宿舎となっているそうです。


文化財プレートはどこにあったんだろう?




昼から降り始めた雪は時間を経るにつれ積もってまいりました。
チェックインは14時。
館内は山に向かって増築してあり、迷路のようです。
でも、そこが良い。
室内もお風呂も、個人的には大変気に入りました。
その話は、また後程。

【積善館(せきぜんかん)】
群馬県吾妻郡中之条町大字四万4236-1
鉄道:JR吾妻線中之条駅から関越交通バスで約40分
高速バス:東京駅の八重洲側から直通バス(四万温泉号)あり