板谷波山記念館

板谷波山(いたやはざん:1872-1963)は、陶芸家として初めて文化勲章を受章した人物。
『板谷波山記念館』は板谷波山の足跡を伝える記念館で、下館は波山が生まれ育った町ゆえに施設内には生家も展示されており、作品のほかに、遺品などのゆかりの品や文化勲章も展示されています。

板谷波山記念館
敷地内にある生家。

板谷波山記念館
上がることはできませんが、チラ見することはできます。

板谷波山は、東京美術学校(現・東京芸術大学)彫刻科に入学し、岡倉天心や高村光雲の指導を受けています。
日本近代陶芸の発達を促した先覚者ともされており(河井寛治郎や濱田庄司は波山の弟子)、自身が納得できない作品は途中で打ち砕くという、ステレオタイプの陶芸家だったようです。
ゆえに、生涯作品数は千点程度だったとされています。

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筑西市に寄贈された神林コレクションの展示が来週から始まるそうです。

出生地である筑西市は60点もの作品を所蔵しており、同館の他に、近くにある『しもだて美術館』でも展示しているそうです。
常設展示かは不明ですけれども。

下館
[しもだて美術館]
本日より「切り絵アート展」がスタート。12月16日(日)まで。

代表作に「葆光彩磁珍果文花瓶」、「彩磁禽果文花瓶」があり、この2点は国の重要文化財に指定されています。
波山の技法である「葆光彩磁(ほこうさいじ)」は、葆光釉(ほこうゆう)を使い、230℃で焼成するものです。これにより艶消しの効果が得られ、霧を纏ったような幻想的な作品となります。
“葆光”とは光を隠すことを意味するそうです。

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街なかに、板谷波山と作品についての説明がありました。

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葆光彩磁の花瓶。

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出光興産の創業者・出光佐三が波山のパトロンだったこともあり、「彩磁延寿文花瓶」「彩磁椿文茶碗」なども出光美術館の所蔵になっているとか。

板谷波山記念館
この説明書きがなかなか面白かった。

ちなみに、成形は轆轤(ろくろ)職人の現田市松に任せ、波山は轆轤を回さなかったようです。

板谷波山記念館
この建物で入館料を支払います。

板谷波山記念館
正面が生家、左手の白い建物が展示館です。
とても小さな建物です。


板谷波山記念館
東京の田畑にあった工房も移築されています。
それを含めた敷地が「記念公園」ってことなのか?と思っていたら、
トップ写真にある銅像が建っている場所が公園ってことみたいです。

とにかく作品が素晴らしいです。ほとんど人が居ないので、独占状態で作品と向き合えます。

いいなぁ~、手に取って毎日眺めたいなぁ~ と思う作品ばかりでした。

どれも一生買えない値段ですけど、妄想するのはプライスレス。使ってみることを妄想しながら観ておりました。

他の作品も観てみたくなったので、機会があれば出光美術館に行ってみようと思います。



 板谷波山(いたやはざん)
 1872年(明治5年)~1963年(昭和38年)
 本名は板谷嘉七(いたやかしち)。号の「波山」は、故郷の「筑波山」に因んでいる。

板谷波山記念館
【板谷波山記念館】

茨城県筑西市甲866-1 (下館駅より徒歩約10分)
開館時間10:00~18:00(入館は17:30分まで)
休館日:月曜、年末年始(12月28日~1月4日)※休日の場合はその翌日
入館料:200円
http://www.city.chikusei.lg.jp/data/hazan/top.html


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