『アール・デコの邸宅美術館 建築 をみる2015 + ART DECO COLLECTORS』が
東京都庭園美術館で、9月23日まで開催中です。
期間中、平日は館内(一部を除き)撮影OK。
しかも、期間中毎週金曜日のみ21時まで開いてます。
お盆だし、今は空いているのではないかしら? と思い、
千葉県民Tを誘って会社帰りにちょっくら行って参りました。
到着時間は17時半から18時の間ぐらい。
退館時間それから2時間後近くになっていました。
2011年から改修工事で長期休館中でしたが、昨年末にようやく開館。
今回ワタクシがここを訪れるのはほぼ20数年ぶりになります。
・・・なるんじゃないかな。
昔は見学できる場所が数部屋しかなかったのですが、
今は、めっちゃ観られます。
テンション上がりまくるぐらい。
国立自然教育園に隣接した同館の敷地および建物は、
香淳皇后の叔父にあたる朝香宮鳩彦王が1947年の皇籍離脱まで暮らした邸宅です。
宮邸は朝香宮一家が退去した後、吉田茂によって外務大臣公邸として使用され、
1950年に西武鉄道に払い下げられ、
1955年に白金プリンス迎賓館として開業し、
1974年まで国賓公賓来日の際の迎賓館として使用されました。
1974年5月からプリンスホテルの本社として使用された後、
1981年12月に東京都に売却。
1983年からは美術館として一般公開されています。
アールヌーボー、アール・デコが大好きだったので、
学生時代はよくここまで祖母に買ってもらった自転車で来ましたわ。
脚力がめっちゃあったんやなぁ、ワタクシ(笑)。
建物設計:宮内省内匠寮(権藤要吉)
外壁も綺麗に塗り替えられていました。
狛犬(左)。
狛犬について不勉強なため、足元にあるのが何かは知りません。
狛犬(右)。
子供と一緒ってことは、雌なのかな?
昔は、奥まで観られなかったけれど、
今は端まで観ることができます。
ちょっと感動。
壁にある通気口。
ここもアール・デコ調。
屋上の開口部にあるデザインも、アール・デコ調。
ちょっとずつデザインが違うんですね。
エントランスの照明。
今は「新館」も出来ています。
※新館は撮影禁止
撮影は平日に限るそうです。
(土日祝は混むから)
正面玄関にある女神像のガラスレリーフ。
(フランスの宝飾デザイナーでガラス工芸家でもあったルネ・ラリックの作品)
玄関の床はモザイクタイルです。
凄まじく綺麗!
玄関の照明。
光の拡散の仕方も綺麗ですね。
玄関のラジエーターのグリル。
上はアールヌーボー調。
大広間から伸びる階段を、入口すぐの来客用化粧室前のスペースから見たところ。
化粧室脇には大理石の洗面台があります。
洗面台を照らす照明。
[大広間]
大広間はラパンの基本設計で、壁面にウォールナット材を用い、
天井の照明は直線と円を組み合わせたデザインになっています。
大理石レリーフはイヴァン=レオン・ブランショの作品。
[中央階段]
マントルピースは大理石。
様々なアール・デコの家具が飾られていました。
[次室]
「香水塔」のデザインはアンリ・ラパン。
先の修復時に、この香水塔も修復されたそうです。
製作はフランス国立セーヴル陶磁器製造所。
[第一応接室]
玄関脇にある部屋です。
第一応接室の照明器具。
館内全ての照明器具は、休館中に洗われたそうです。
大変な仕事だ。
第一応接室のドアノブ。
もの凄く凝った作りになっています。
[小客室]
第一応接室の隣にあります。
壁画もアンリ・ラパンによるもの。
大理石のマントルピース。
ドアノブがモダンです。
何かに似てるなぁ・・・と思ったら、こういうカトラリーがありますよね?
どこの部屋のドアノブだったか覚えていないけど、こういうタイプもありました。
凝ってるなぁ。
[大客室]
壁画、扉パネル、シャンデリアなど、
さまざまな部分にフランスのアーティストの作品が使用されています。
扉パネルのエッチング・ガラス装飾は、マックス・アングランによる。
シャンデリアはルネ・ラリックの『ブカレスト』。
内装の基本設計はフランスのインテリアデザイナー、アンリ・ラパンが担当。
この部屋では、幾何学的にデザインされた花が主なモチーフとなっています。
扉上の鉄製装飾はレーモン・シューブの作品。
壁羽目板上の壁画(油絵)もアンリ・ラパンによるもの。
大理石の暖炉のレジスターも幾何学模様の花のデザイン。
[大食堂]
マントルピース上の壁画はアンリ・ラパンの作品。
レジスターは魚がモチーフのようですね。
館内で一番豪勢な暖炉だと思える。
この大食堂は、かなり明るい造りになっています。
大食堂の天井照明器具のガラス板はルネ・ラリックの作品。
パイナップルとザクロのデザインです。
これも休館中に洗浄されたそうです。
壁面の銀灰色レリーフは、レオン・ブランショによる。
エッチング・ガラス装飾の扉。
[小食堂]
宮家の日常の食事に使用された部屋です。
右手に床の間があるのが特徴的。
床の寄木はローズウッドケヤキ、黒檀。
大食堂に比べて照明は暗め。
落ち着いて食事ができそうです。
でも、照明器具はゴージャス。
中央階段を使って二階に向かいます。
館内で一番凝った造りの階段です。
階段踊り場の照明器具はシンプルでモダン。
階段を上り切ったところにある大きな照明器具。
[二階広間]
右側に造り付けのソファがあります。
青海波のデザインのラジエーターカバー。
二階広間の照明器具だった気がする。
よく見るとエッチング・ガラスです。
二階のバルコニー。
若宮居間にあり、正面玄関の真上に位置します。
床はクリンカータイル貼り。
ステンドグラスの照明器具。
かざり丸柱がアクセントになっている若宮居間。
[殿下居間]
高さのあるヴォールト天井が特徴的。
天井の照明器具は意外とシンプル。
暖炉は大理石。
カバーは噴水がモチーフ。
付け柱はヒノキ。
壁紙は2014年に復元されたものです。
付け柱の飾りがカッコイイです。
ドアハンドルは、これぞアール・デコって感じのデザインです。
[書斎]
付け柱はシトロニエ材。
天井はドーム型です。
他の部屋と異なり、照明器具は関節的になっています。
机は回転するらしい。
物を落としたら拾えなさそうな構造ですね。
[殿下寝室]
他の部屋に比べると装飾は控えめ。
楠の玉杢のドア。
ドア本体がカッコイイので、ドアノブがシンプルでもいいですね。
鍵付です。
[二階ベランダ]
市松模様のタイル床がモダンです。
殿下寝室の照明に似た感じのベランダ照明器具ですね。
バルコニーのドアハンドルはよく見るととても凝った作りになっています。
[第一浴室]
殿下と妃殿下の寝室の間にあります。
床はモザイクタイル。
壁にはフランス産の大理石が貼られています。
[妃殿下寝室]
2脚の椅子はアンドレ・グルーの作品。
背もたれの花模様はマリー・ローランサンのデザイン。
上下に移動できる布シェード付きの照明器具。
[妃殿下居間]
五つのボール状の照明器具が特徴的な部屋。
鏡は一枚ものの大きなものです。
大理石の暖炉。
照明器具は、よく見るとゴルフボールのようなボコボコした表面になっているんです。
[姫宮寝室]
サクラ材が多用されています。
和室っぽくも見える造りの造り付け収納があります。
ロウ石を使った照明器具。
[姫宮居間]
モミジ材が多く使用されているそうです。
サーモンピンクの大理石が特徴。
可愛らしい花模様の照明器具と、漆喰仕上げの天井装飾。
二階の廊下は落ち着いた色の壁色です。
廊下の照明器具だった気がする。
階段踊り場の右手が姫宮の寝室になります。
ここの照明器具がめちゃくちゃカワイイ。
星型のステンドグラスです。
姫宮の部屋の前だからこういうデザインなのかな?
三階もありますが、非公開エリアです。
階段から一階を見下ろしたところ。
二階を見上げたところ。
階段途中にある填め込み窓。
どこの照明かは忘れましたが、シンプルで21世紀でも使えそうなデザインですね。
これもどこの部屋の照明器具だったのかを覚えていませんが、
器具がシンプルな割に、天井部分が凝っていますね。
これも設置個所不明。
シンプルです。
[新館]
2014年に完成した建物で、カフェやミュージアムショップがあります。
館内撮影禁止。
庭に出てみたら、すっかり真っ暗になっていました。
しかも雨が降っていた。
夜会などかある場合、庭からはこういう風に見えていたんだろうなぁと妄想してみる。
テラスの照明器具がめっちゃキラキラしています。
テラスの照明器具にズームイン。
か、カワイイ。
雨が小降りになって来たので、帰路に着く我々。
雨に濡れた地面に照明が反射して幻想的です。
地図を見ると、まだまだ整備中なんですねぇ。
金曜日だけ21時まで開いているので、
チケット販売コーナーも煌々と灯りがついていました。
これで入館料800円とは、めっちゃ安い気がする。
夜に見学するのは初めてですが、なかなか良いもんですね。
夜の映画もいいけど、夜の美術館もいい。
楽しかったです。
ちなみにこの時間帯に見学している人々は
ワタクシぐらいの年齢の人が大半でした。
やっぱりな。
写真を撮れるのも今のうちかもしれんから、
金曜日の見学、オススメです。
【東京都庭園美術館】
東京都港区白金台5-21-9
開館時間 10:00-18:00
http://www.teien-art-museum.ne.jp/