洋館1階には創作フランスレストラン「デュボネ」があるため
営業フロアは一般見学不可。
洋風数寄屋造りの邸宅『旧春田鉄次郎邸』には、
隣の『旧豊田佐助邸』で管理の方に声をかければ入れるようです。
って、金曜日で通常は休館日だったゆえの処置なのかな?
ともあれ、大正14年(1925)に貿易商の春田鉄次郎が
武田五一に設計を依頼して建てたこの建物は、
小ぢんまりしたスペース乍らも、とても住まい易そうな空間で、
壁に貼った布やら、小物やら、全てが真似したくなるものばかり。
ワタクシ的は、キュンキュン胸が高鳴る内容でした。
住みたい。
門をくぐると直ぐに紫陽花が迎えてくれます。
六月ならではだなぁ~
名古屋高等工業学校(現名工大)の校長・武田五一の設計。
左に行くとレストランが入っている数寄屋造りの洋館。
洋館の屋根には鬼板が乗っています。
立派だ。
右の通路が建物見学の入口。
犬走りのような通路を行くと、玄関があります。
意外にも内部はデコラティブ!
大層驚きました。
折り上げ天井には一面に布が貼ってあります。
中央には鳳凰の絵柄が。
そして周囲は漆塗りの枠。
なんじゃこらー
って感じで、首が痛くなるまで見上げちゃいました。
キラキラしているのでビーズを練りこんであるのかと思いきや、
玄関の壁は土壁ではなく、ここにも布が貼ってあるっぽいらしい。
小上がりの天井にも布が貼ってあります。
ランプも天井の絵柄に合わせているのかな?
襖にはピンストライプ模様の布が貼られており、
色が変わるので気分もリセットされます。
この輸入品らしき生地は小上がりの壁に貼られていた気がする。
襖にガラスが填め込まれています。
色々工夫を感じる収納部分。
襖だったり、引き出しだったり、電話置き場だったり。
正面の収納部分上の襖の引手。
螺鈿で松竹梅かな。
下の襖の引手は千鳥。
足がカワイイ。
天井は・・・桧?
そうそう。昭和の家電ってこんな具合に布が掛けられていましたよね。
天井が高いのがよくわかりますね。
茶棚も塗り替えれば良くなりそう。
中庭が見えます。
テレビはこの位置なんだ。
テレビにも布が掛けられています。
石のみの庭。
草木が無いので虫の気配を感じなくて夏場は良いですね。
ミシンに使われている木材が良さ気でお高そう~
台所を遮る襖にはガラスが填まっており、襖ごとで枠の位置が異なります。
襖は三枚。
[台所]
開口部の意匠が壁ごとに異なります。
天井は高め。壁が白いので明るいです。
キッチンはミニなんですね。
昭和20年代のセイコーの柱時計。
今も現役だそうです。
テーブルは円卓。
壁と天井は漆喰塗りです。
防火用かな?
二階に向かう階段。
結構急です。
二階の窓の鍵。
そうそう、昭和時代の鍵ってこうなのよ。
ネジがプラス螺子になっている。
二階から見た中庭。
二階の通路の天井にも細かなデザインがなされています。
壁も天井も漆喰塗り。
洋間のドアノブ。
このぷつぷつが・・・
洋間のぷつぷつと似ていますよね?
漆喰が剥がれているところもあるけれど、綺麗です。
寝室だったと思われる洋間。
壁のラインが利いていますね。
クローゼットは造り付けです。
鏡が大きくて、使い勝手が良さそう。
二階洋間の通気口。
ストーブを焚くからでしょうかね。
シンプルな作りですが、ここにもマルが。
内外電熱器(株)の角形反射式電気ストーブ。
二階の和室と板の間の周囲を囲む廊下の天井。
細いけれど磨き丸太が使われています。
[2階の和室と板の間]
モダンであるようにすら感じる欄間も必見です。
シンプルながらも粋な床の間。
襖の引手はデェフォルメされた鳳凰ですかね?
欄間が一枚板っぽい。
屋久杉の根っことかかな?
洋間使いの板の間。
この時代の輸入家具って、凄まじく高価だったでしょうね。
2階の窓から見える景色。
緑がいいアクセントになっています。
もの凄くいい建物だなぁと思います。
自分に財力があれば、こんな普請道楽をしてみたい。
何回宝くじに当たれば出来るんでしょうねぇ。
とりあえず自分にできる範囲で感化されてみるとすれば、
トイレの壁紙、替えてみるとか?
【旧春田鉄次郎邸】
愛知県名古屋市東区主税町3-6-2
開館時間 10:00~15:30
休館日:月・金曜(月曜が祝日の場合は翌日も休み)
入場無料