農林省大臣公邸三番町分庁舎
(現:農林水産省三番町共用会議所別館)
11月26日(土)と27日(日)の10時から15時の間、
三番町共用会議所(旧山縣有朋邸庭園跡・庁舎別館)が一般公開されると知り、
朝から行って参りました。
昨日は雨のち曇りでしたが、今日は素晴らしい快晴。
絶好の撮影日和となりました。
この地には山縣有朋の邸宅がありましたが昭和20年の東京大空襲で焼失。
その後、農林省の大臣公邸となり、現在は農林水産省が管理しています。
敷地内にある大江宏が設計した共用会議所別館は、
令和4年度 DOCOMOMO Japanの「モダン・ムーブメントの建築」に
選定されたそうです。
大江宏の作品と言えば、法政大学の55・58年館。
勿体ないことに既に取り壊されてしまっているため、
三番町共用会議所が都内で見学可能な貴重な建築物の一つとなりました。
(国立能楽堂も大江宏の設計です)
左側が大江宏作品。
建物を観易くするためか、はたまた落ち葉掃除を減らすためか、
建物の前の木が剪定されていました。
本来はこちらの木ぐらい茂っていたんだろうなぁ。
こちらの階段が解放されていたので館内に入ってみます。
見どころいっぱいの回廊。
床の目地にはガラスがはめ込まれているそうです。
黄色っぽい色の天井には木毛セメント板が使われています。
木毛セメント板の近影。
別館1階から本館を撮影。
建物の線の太さが違いますねぇ。
別館1階の会議室は以前は食堂だったそうです。
農水省といえば、林野庁。
敷地内に置かれているベンチが木製なところもポイントかも。
重そうなRCサッシの下にレールが無いので
掃除がし易いんだろうぁと思ってみたり。
開口部の多い吹き抜けの階段も特徴的。
2階応接室の一部の靴摺が木製のままでした。
2階バルコニーの手すりがシャープなので庭の緑が多く視界に入ります。
旧山縣有朋邸の庭園跡を眺める。
2階応接室(旧大臣室)の奥の椅子の前に机が無いのが気になる。
一般公開ために椅子だけ用意したのかも?
2階奥には和室が2部屋あり、こちらの天井のデザインが面白く感じました。
天井の孔子の部分には
芭蕉布っぽいものが貼られていました。芸が細かい。
見どころはまだまだあるとは思いますが、
とりあえず興味深かったものの写真のみ貼ってみました。
そういえば、庭にある石も見どころの一つでしたっけ。
明治天皇が邸宅に行幸してくれて銀杯と貨幣を下賜されたよ、的な
山県有朋による碑文です。
右から二行目の「有朋」の名が小さく彫ってあるのがポイントなんだろうな。たぶん。
それはそうと、入口でペットボトルの水を貰ったのですが、
それがいかにも農林水産省って感じで感嘆しました。
食品ロス削減の啓発に取り組んでいる農水省ならではですよね。
こういう消費の仕方は良いなと感じました。
◆農林水産省のページ