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興味あるものを 興味ある人に。

私は諦めを敵とする。 私の日々の努力は実にこの諦めと闘うことである。 (北条民雄)

成田山新勝寺

千葉県成田市『成田山新勝寺』を一周する。【後編】

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ようやく平和大塔が見える場所までやって来ました。

曇り空だったはずなのに、晴天になりつつある。

暑い。汗が止まらん。

握りしめていたミニタオルを新しいものと交換してから塔を見上げる。

さて、迂回して緩やかな道を行くか、正面の急階段を突破するか。

暫く迷ってから正面の階段を上ることにしました。

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仏教寺院とは思えんデザインの獅子(顔だけ)が現れる。
昭和後期のセンスを感じると思っていたら、
ここは984年(昭和59年)に建立されたものでした。
真言密教とは!?

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日光が照り付ける階段を気合を入れて上ります。
ちなみに真言密教の教えとは
「あきらめない、投げ出さない、逃げ出さない」
というものだそうです。
今日のワタクシは試されてるのかも。

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平和の大塔(へいわのだいとう)
1984年(昭和59年)建立。
真言密教の教えを象徴する塔です。

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辿り着いた大塔の二階部分。
心地よい風が吹き抜けております。

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光明堂(こうみょうどう)
国指定重要文化財
大日如来、愛染明王、不動明王が祀られています。

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正面はこんな感じ。
左側後方にある奥之院には洞窟があり大日如来が安置されているらしい。

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朱塗りの建物で大変豪華な造りです。彫刻群も素晴らしい。

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向拝(こうはい)に飾られた額の数々。
寄進されたものなんでしょうね。

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保護網がかかっているため肉眼では良く見えないのですが
じっくり見てみたい内容です。

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天国宝剣(あまくにのほうけん)の彫刻もあります。

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色が剥げていますが、元は極彩色の獅子だったんでしょうね。
まだ彩色ができた時代の1701年(元禄14年)建立。
※徳川綱吉の時代

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額堂(がくどう)
国指定重要文化財
1861年(文久元年)に建立されたものなので彩色はありません。
※徳川家茂の時代

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開山堂(かいざんどう)
1938年(昭和13年)建立。
開山の寛朝僧正を御姿を安置するお堂です。

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釈迦堂(しゃかどう)
1858年(安政5年)建立。
国指定重要文化財

◆安政5年に起こったこと

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破風の拝下(おがみした)、懸魚の奥に見える彫刻。

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鬼ですね。
不動明王のもと鬼も頑張って火伏を担っているのかも。

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この日いただいた御朱印は5種。
相性の点から出世稲荷のものは遠慮致しました。

成田山新勝寺の縁起が平将門の乱に始まるためか、

「神田明神を崇敬する者は成田山新勝寺を参拝してはいけないというタブー」

があるそうです。

平将門公に関わる神田明神や筑土神社などをなるべく遠慮している身なれば、

逆に参拝してもよかろうと思ったのが再訪動機でもありました。

久々に参拝してみて感じたのは、「こんなに広かったのか」ということ。

特に体感的には公園が広かったです。

また10年後に来れたとしても今回のように歩き回るのは無理かもしれん。

御朱印も頂け、歩ききったことにかなりの達成感がありました。

もし光明堂を塗り替える日が来たら、その姿を見るべく再訪したいです。









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【成田山新勝寺(なりたさんしんしょうじ)】

千葉県成田市成田1番地
宗派:真言宗智山派
本尊:不動明王(大聖不動明王)
創建年:940年(天慶3年)
開基:寛朝僧正
正式名:成田山金剛王院神護新勝寺
https://www.naritasan.or.jp/


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千葉県成田市『成田山新勝寺』を一周する。【前編】

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成田山新勝寺に行ったのが10年前だったため現在の姿を見に行くことにしました。

10年前の記憶が鮮明なところとそうではないところがあるのですが、印象は割と良かった気がする。

建物群を見るなら(撮るなら)朝一番が良いだろうと考え、JR+京成電鉄利用で向かうことに。

所用時間は約1時間半でした。(もっと遠いと思ってた)

早朝なので境内に居る人の姿は疎ら。大変歩き易いです。やっぱお参りは早朝がベストかも。

さて、総門をくぐると正面に見えるのが仁王門。

階段の上にある姿を見ると、ここが「山」なんだと感じさせられます。

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仁王門(におうもん)
国指定重要文化財

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階段の両脇を守る阿吽の狛犬。

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仁王門を飾る彫刻群も素晴らしい。

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仁王門の天井は折り上げ格天井で見応えがあります。

那羅延金剛
密迹金剛
仁王門正面を守る阿形の那羅延金剛像(写真上)と吽形の密迹金剛像。

広目天
多聞天
門の裏側には広目天(写真上)と多聞天が安置されています。

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仁王門から見下ろした総門。
人が増えてきたなと思ったら団体様が到着したらしい。朝早いツアーだな。

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大本堂(だいほんどう)
1968年(昭和43年)建立。

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三重塔(さんじゅうのとう)
国指定重要文化財
逆光で上手く撮れず(前回撮ったものはコチラ

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大本堂裏にある大日如来像。

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御朱印マップなるものがありました。
この図を信じて歩いてはいけないことを後ほど思い知る。

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大本堂裏にある築山には多数の銅像が安置されていましたが
肉眼ではどれが何の像なのか見えませんでした。

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平和大塔を目指して境内裏手にある成田山公園に足を踏み入れます。

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案内表示がザックリしている。
迷ってはいけないと思いつつも迷いかける。

アカガシ
アカガシ(赤樫、学名:Quercus acuta)の巨樹に逢う。
赤みがかっているところが特徴で、木材としては硬く加工が割と困難らしい。

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いろいろあって、文殊の池に到着しました。

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ちょっとした落差で滝っぽいものが見られます。
これが雄飛の滝なのか? 西洋庭園はどこに?

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木々の向こうに塔の屋根らしきものが見えます。

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石の上で休む亀。って外来種じゃん。

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ここでようやくリアルタイプの地図を発見。
あのまま森を進んでいたら、しんどさ倍増だったかも。

ようやく目指すべき場所がわかったので、これから大塔に向かいます。

もう、汗だくだくさー。





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【成田山新勝寺(なりたさんしんしょうじ)】

千葉県成田市成田1番地
宗派:真言宗智山派
本尊:不動明王(大聖不動明王)
創建年:940年(天慶3年)
開基:寛朝僧正
正式名:成田山金剛王院神護新勝寺
https://www.naritasan.or.jp/


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千葉県成田市『成田山新勝寺』のさまざまなカタチ。

成田山新勝寺
【成田山新勝寺(なりたさんしんしょうじ)】
本尊は不動明王。


総門
[総門]
開基1070年記念事業として2006年(平成18年)に竣工。


仁王門
[仁王門]
国の重要文化財。


仁王門
1830年(天保元年)の建立。
素晴らしい造形美なり。


仁王門
ひょうたん・・・ですよね?

仁王門
これは宝袋(巾着)か?

かめ
相変わらず亀だらけの池。
そんな中、特異な姿の亀を見ました。


かめ
誰かが甲羅にペイントしたのかな?

成田山新勝寺本堂
[成田山新勝寺本堂]

成田山新勝寺本堂前広場
[成田山新勝寺本堂前広場]
右側は国の重要文化財である「三重塔」。


鐘楼
[鐘楼]

成田山参籠道場
[成田山参籠道場]

成田山参籠道場

女子参籠堂
[女子参籠堂]

懸魚
[仁王門の懸魚]

以下、さまざまな懸魚。


懸魚
兎毛通し兎毛通し
めちゃくちゃ凝っている「兎毛通し」。
細部まで彫刻がなされていますね。


はと
本堂の屋根でイチャイチャしていた鳩。

今日一日で大量の彫刻作品を見た気がする。

ある種、野晒しになっているところが贅沢だと感じました。

そしてやっぱり三重塔は完璧で素晴らしかった。




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千葉県成田市『成田山新勝寺 一切経堂』の彫刻も素晴らしかった。

一切経堂と鐘楼
[成田山新勝寺(なりたさんしんしょうじ)一切経堂と鐘楼]
一切経堂(左)は、1722年(享保7年)に建てられた。
方三間、宝形造。内部に輪転経蔵がある。


一切経堂01
経典を収めた台を回転させるだけでお経を読んだのと同じ功徳が得られるそうです。

一切経堂02
とても華やかな懸魚。
すっごく綺麗です。


一切経堂03
柱を守っている獅子。
カラーリングがすごいなぁ。
獅子の身体の模様が遠くから見ると星にも見え。


一切経堂04
入口には龍の彫刻も見られます。

一切経堂05
真言宗の題材が分かりませんので、彫刻だけを観賞しておりました。

一切経堂06

一切経堂07

一切経堂08

一切経堂09

一切経堂10


成田山新勝寺ってこんなに素晴らしい彫刻に彩られた場所だったんですね。

目から鱗でした。

ものすごく堪能させて頂きました。

でも一番素晴らしかったのは、国の重要文化財である「三重塔」です。




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千葉県成田市『成田山新勝寺 三重塔』は超絶素晴らしい建っている芸術品だと思う。

三重塔01
【成田山新勝寺 三重塔】
1712年(正徳2年)建立。
国の重要文化財。


三重塔02
軒裏には垂木(軒を支える棒状の部材)を用いず、
雲文を刻んだ板で軒を支える板軒としています。


三重塔03

三重塔04

三重塔05

三重塔06
四つの面に扉があり、細かい装飾が施されています。
全て違う花が彫られているんです。


三重塔07
[菊]

三重塔08
[梅と竹]

三重塔09
[梅]

三重塔10

三重塔11
[睡蓮]

三重塔12

三重塔13
[松]

三重塔14
扉の両脇の壁に施された彫刻。

三重塔15
[うぐいす]

三重塔16
[九尾の狐(?)]

三重塔17
[十六羅漢の彫刻]

三重塔18

三重塔19
[鶴]

三重塔20
[孔雀]

平成20年に漆塗りの彩色の修復が施されたとかで、

現在、とても色鮮やかな姿を目にすることが出来ます。

華やかなだけではなく、装飾が細かくて、大変見応えのある建物です。

そりゃ、国の重文になりますわな。

今日ほど、カメラが前よりズーム可能なもので良かったと思ったことは無いかも。

でも、写真を撮っている人はそれほど居らず、

意外にスルーされているのには驚きました。

皆さん、成田山常連で、見飽きていらっしゃるのかも。

それはそうと、とても濃い内容の装飾で、意味を考えるのが楽しかったです。

って、答えは謎ですけどね。

いやぁ~。良いものを観たわ~。

行き当たりばったりの参拝でしたが、

良い一日となりました。

有難し。




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sava!プロフィール

sava

昭和生まれの大阪育ち。数十年前から母の実家の神楽坂エリアに生息。食,日本酒,旅,富山県,文化財(建築物),読書等を好み、当ブログではそれらにオマケ情報も加味しています。それなりの年齢になり、老眼とか更年期とか諸々の不具合も出て参りました。そんな多様な話をチマチマと記す日々です。
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