
明治16年(1883)年創業の三河屋旅館は、孫文や画家の竹久夢二、歌人の与謝野晶子など、多くの文人墨客が宿泊した箱根で指折りの老舗旅館でしたが、令和2年(2020年)春に閉業。
その後、藤田観光が取得し、2020年の秋から開業しています。
建物の外観はそのままに、内サッシを入れて断熱・防音効果を高め、水回りの改修するなどの改修工事が行われたほか、高齢者や外国人に使いやすいベッドスタイルに変更。名物料理の提供なども行われているそうです。
藤田観光が継承したことにより新たにカフェの営業が始まったと知り、大正13年(1924年)頃に建てられた国登録有形文化財に指定されている本館観たさに行ってまいりました。

三河屋旅館本館(松竹館)
登録有形文化財(建造物)
2011年10月28日 登録(平成23年)

正面ではなく、右側が入り口になっています。

玄関は木と漆喰に囲まれた落ち着く空間。

重厚な玄関の横にある宿の受付と売店。

文化財プレートは入り口右手の壁の下側にありました。

こちらが洋間を利用したカフェ。


外から見るとこの部分になります。

正面にさえぎる物がないためロケーションが宜しい。

漆喰は塗り替えられていますが、
モールディングなどは当時の意匠のままだと思われます。

見晴らしはこの角の席が良さそう。

メニューはそれほどありませんが休憩するにはちょうど良い。

コースターはこんな感じ。

宿のパンフレットと同じ絵が使われているんですね。

日替わりの洋菓子セットにしました。


内容はこんな感じ。

珈琲を淹れて貰っている間に少しだけ見学させて頂きました。

ちょっと見るだけでも凝った造りなのが分かります。

昔は貴賓用玄関だったと思われるスペース。


唐破風下の開口部に椅子が置かれています。


ちなみに懸魚は破損したままでした。
鶴が彫られていたのかな?

資料室は、かなり凝った面白い造りになっています。

この資料室入り口の天井には採光用のガラスが填めてあります。
絵が見えますね。


鴛鴦かな?
宿泊すれば色んな発見がありそうな建物なので泊まってみたいけれど、エントランスまでの階段を荷物を抱えて登るのが大変そう。もしかしたらエレベーターがあったのかな?
チャンスがあれば内部を観てみたいです。
そして文化財カフェについては、メニューの充実など、今後の発展に期待しています。

天気が良いので山の稜線が綺麗に見えていました。

【三河屋 cafe】
三河屋旅館本館(みかわやりょかんほんかん)
神奈川県足柄下郡箱根町小涌谷503 三河屋旅館
営業時間 11:00〜15:00(L.O.14:00)
https://www.hakonekowakien-mikawaya.jp/

