昨年に建物と塀が国の登録有形文化財(建造物)に指定された『茶寮 一松』。
創業は昭和27年。建物は昭和35年(令和2年改修)のものだそうで、
「茶寮一松店舗及び住居」「茶寮一松表門及び塀」の名称で指定されています。
文化財の説明は以下の通りです。
浅草雷門通りの一筋南に位置する料亭。店舗及び住居は、敷地南の前庭を囲むL字形平面で、入隅を玄関、南面して座敷を並べ、北西を住居部とする。二階は三間続きの大広間を配し、随所 に銘木や彫刻で飾る数寄屋意匠の料亭建築。門及び塀は敷地南・東辺を区画し、門は隅切部に建つ腕木門で料亭に相応しい表構え。
本日は通院day。
平日ランチならば行きやすかろうと思い、
診察が終わってからぶらりと浅草まで行って参りました。
玄関までのアプローチも良い感じです。
予約もせずに引き戸を開けたのですが丁寧に対応して頂き、
かなりゆったりした気分で昼食を摂ることができました。
様々な木材が使われた、船底天井の和室に通されました。
修繕もきちんとされている美しい部屋です。
庭の見える部屋で、ゆったり、ボーっとすることができます。
欄間の鳳凰の彫刻が見事。
引手は竹と笹の意匠ですね。モダンなデザインだなぁ。
昭和前期に流行した照明器具ですね。
電気コード類の仕舞い方が良いなぁ。
最近、書に興味があるのですが、まだまだ長い道のりです。
これは達筆だなぁと感じるのですが、どうなんだろう?
とてもカッコいい開口部。
翁(おきな)と媼(おうな)の彫刻が付いています。
長寿を願った部屋なれば、そういうお祝いの日に使えると良いですね。
様々な部分に拘りが感じられて興味深い部屋でした。
さて、今回は最も安い「銀だらの粕漬」を選択。
それにデザートをプラスしてみました。
右端に書かれているってことは一押しなのかもと思い、
ホット柚子を追加注文しました。
正直、それほど期待をしていなかったのですが、
このホット柚子がかなり美味しい。
香りが大変良くてヒーリング効果があるんじゃないかと感じました。
一気にお料理が並ぶのかと思っていたので
先付けが単品で出されたのにはちょっと驚きました。
ランチにも10%のサービス料が付きますが、納得できます。
菜の花とうるいのお浸し。春を感じる。
猛烈にお腹が空いていたのでキラキラして見えました。
にんじん、だいこん、なんきん、など「ん(運)」の付く料理。
出汁巻き卵は「母の愛を巻き込んでいる」的な感じで
色々意味を込めているそうです。
お豆腐とわかめのお味噌汁。
具としては入っていないのですが舞茸らしき良い香りがしました。
胡瓜の糠漬けらしきものとお昆布。
塩気がご飯によく合います。
ご飯も美味しい。
甘味もありますよと出されたメニューを見て、
左側のカステラとおはぎが気になってしまい、追加注文しました。
きな粉のおはぎ。
中がこし餡だったのですが、今日からこし餡になったそうです。
きな粉の香りがとても良く、粒感があり、甘さ控えめで美味。
ランチにドリンクと甘味を追加して三千円弱でした。
個室でまったり、ゆったりできて、大満足のランチタイムでした。
ここは誰かにオススメしたい。
時節柄敷居が低くなっているのかも? という気もしました。
気のせいかもしれませんが。
さて、文化財プレートに付いて訊いたら、
まだ届いていないんだそうです。
届いたらどこに付けられるのか大変気になるので、
平日に休める日は、またここでランチを頂こうと思ってます。
新しくできた同店の甘味ショップを教えて貰ったので、
この後、覗きに行って、結局買い物をしてしまいました。
満腹でも、やはり甘味は別腹です。
【茶寮 一松(さりょう いちまつ)】
東京都台東区雷門1-15-1
営業時間 11:30~22:30(L.O.21:00)
定休日:月曜、年末年始、お盆(8/9~8/19)
※たぶん現金のみ
https://www.ichimatsu.co.jp/