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設計:野村一郎

『国立台湾博物館』は、日本統治時代の1908年に設置された台湾で最も歴史のある博物館です。
1908年(明治41年)に児玉源太郎(第4代台湾総督)と後藤新平(民政長官)を記念するため、「児玉総督後藤民政長官記念館」として建築されたもので、1909年(明治42年)に台湾総督府博物館に改称。
現在の建物が1915年(大正4年)に完成したのち、1949年に「台湾省立博物館」と改称。
1999年に現在の名称となりました。

三年前から気になってはいたものの入ったことはなく、入らなかったことが勿体ないと思えるほど、圧巻の建築美。展示手法もアーティスティックで、(文字通り)細かい内容を広い空間を使って魅せることに長けていると感じました。
台北旅行で、もし時間があれば入館することをお勧めします。(ただし月曜日を除く)

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[左]児玉源太郎、[右]後藤新平
 同館3階に銅像が展示してあります。

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しかも丁寧な解説付き。

特に文化財に指定されている気配はないのですが、本当に建物内部は圧巻で必見です。思わず天井を見上げて、ぐるぐる回りたくなります。
大理石がふんだんに使用されているため、建設費は如何ばかりかと気になるところではありますが、母曰く、台湾には大理石の産地があるそうですね。だとしたら、ここの大理石は当時の威信をかけたものであろうし、良いものを使っているんだろうなと推察されます。

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かなり立派な正面玄関。
円柱の下半分は補強かな?


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入館料についての案内には、軍人、警察官、学生、
6~12歳の児童、65歳以上(休日のみ)半額とあります。


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まさか外国人にも適用されるとは思っていませんでした。
65歳以上は半額になります。


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円柱と角柱が並ぶロビー階段付近。
大理石の色は必見。


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細かい装飾が、これでもかっ!!っと施されています。
素材はモルタルらしいです。
角柱は基礎で円柱は装飾なんだろうなぁ。


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ロビーのアルコーブ2か所には、
既出写真の児玉源太郎像と後藤新平像が飾られていました。
今はお高そうな壺が飾ってあります。


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華麗な装飾とステンドグラス。
どこかの装飾に台湾フルーツを模したものがあるらしい。


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吹き抜けのロビーに立ち、天井を見上げてみる。
三階分の高さが吹き抜けになっています。


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天井のステンドグラスには軍配団扇(児玉家家紋)と
藤(後藤家家紋)を組み合わせた図案が使われています。

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ソフトクリームのような照明器具。
ディズニーの「美女と野獣」の執事を連想させられました。

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柱の間の天井部分に注目。
こちらは綺麗に修繕されていますが


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こちらは同時期の塗り替えはされていないようです。

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柱頭部分にはアカンサスを模した装飾が施されています。
ロビー中央に立つと巨大な植物が並んでいるように見えます。


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大理石の腰壁が続く中央階段。

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シンメトリーな造りなので、
左右両翼に展示室が続いています。


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黒大理石と白寒水石を交互に配した床。
貴賓室の内容が気になります。

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調べてみたところ、日本から仕入れたイタリア産の大理石らしいです。

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大理石の模様が独特。

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でも、窓の三方枠は木製に見えなくもない。

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木製腰壁のある階段。

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階段踊り場のモルタル装飾。
カバーもかけられず触れられる位置にあります。

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二階の廊下も木製の腰壁で保護されています。
高級感がありますね。

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階段踊り場の窓も規格外の高さ。
光が差し込んでかなり明るいです。


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三階への階段はシンプルな造りになっています。
腰壁は二階まてでなくなります。


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展示室内の天井。
既存の照明器具は使用されず、間接照明になっていました。

展示手法も独特です。
お洒落でアーティスティックで色彩も豊か。

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この日の展示内容は昆虫と植物でした。

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オブジェも凝っている。

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微生物という小さ過ぎる展示内容でも工夫が凝らされていました。

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気になったのは三階の展示にある台湾原住民か作った籠。
凄まじく精巧なつくりです。

さて、台湾と言えば北投温泉の特別天然記念物「北投石」が有名ですが、花蓮から台東の間に延びる花東縦谷は、フィリピン海プレートとユーラシア・プレートが密かにぶつかり合う地帯で様々な鉱石が採れ、「地質の天国」、「玉石の故郷」と呼ばれいるそうです。

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台湾墨玉の原石が建物前に展示されています。

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これは原石ですが、磨くと肉眼では黒に見えるのに、
光を当てると黒斑と緑の縞が入った模様になるらしい。


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ミュージアムショップで石を買ってしまいました。
魅かれた。


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右は蛍石(Fluorite)なので「水を避けて」とアドバイスされました。
光や熱による刺激で発光しますが、はじけるので危険だそうです。
NT$99(347円)

写真の左側は「七彩碧玉(jasper) NT$299(1,047円)」。色と形に魅かれました。
定期的にこのような(宝飾品ではない)石を買ってしまうワタクシ。
帰りの荷物が一層重くなってしまうのでした。



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【國立臺灣博物館】

台湾台北市中正區襄陽路2號
No. 2, Xiangyang Road, Zhongzheng District, Taipei City
開館時間 9:30~17:00
休館日:月曜
悠遊カード(悠遊卡/ヨウヨウカー/Easy card)が使えます
https://jp.ntm.gov.tw/(日本語)


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