sava!

興味あるものを 興味ある人に。

私は諦めを敵とする。 私の日々の努力は実にこの諦めと闘うことである。 (北条民雄)

古梅園で握った墨が届く。

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今年1月末に奈良の古梅園で握った墨が宅配便で届きました。


14日に届いていたみたいなのですが、受取れず昨日再配達して貰いました。


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きちんと桐箱に入っております。

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綿が敷いてあって、へその緒を連想しました。
そういえば近年見てないな、へその緒。


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取り出してみる。

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外れない指輪をしていたもんで、その型もくっきり残っていました。
うん、ワタクシが握ったものに間違いないですわ(笑)。



いざ届いてみると、記念品感があって、なかなか嬉しいものですね。


自分が握ったものなので、他に無いってところもヨロシ。


しかも自分で握っておきながら、


今後同じ体験をするとしても握力が違うと思うので形も異なるだろうし。


うん、なかなか面白いです。


これですった墨で、夏までに写経をしてみようと思います。


嗚呼、良い硯が欲しいなぁ。




同行した母の感想はコチラ

古梅園
【古梅園(こばいえん)】

奈良県奈良市椿井町7番地
営業時間 [月~金] 9:00~17:00
定休日:土日祝 
http://kobaien.jp/


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奈良市椿井町『古梅園(こばいえん)』という日本最古の製墨業を営む老舗で墨造りを見学・体験して来た。【写真多用】

古梅園

創業1577年。安土桃山時代から続く墨製造業の老舗『古梅園』は

敷地内にある複数の建物が国登録有形文化財に指定されています。

ずーっと外観を見てみたいと思っていたもんで、母と一緒にやって参りました。

お店が開いており、ちょっと迷ったものの、

写経を始めるし墨を買ってもいいかもしれないと思い、入店。

店内に並ぶ墨の高額さに驚きつつ、ついつい筆を手にしてしまいました。

筆を買うなら、やっぱり墨も欲しい。

字が上手くないのに高い墨を買うのは恥ずかしいと思ったもんで、

小さくて、他の商品に比べると安いものを購入致しました。

いろいろ吟味していたところ、内部の見学・体験が可能だと教えていただいたもんで、

無理やり母を誘って、見学・体験をすることにしました。

見学・体験料は、その日できる墨によって変わるらしいのですが、

この日は一人4,000円(税別)でした。

※体験で出来た墨を後日送ってくれるというサービス込みの値段

実はこの見学・体験は予約が必要だと思っていたため、

端から諦めていたところだったもんで、

偶然にも願いが叶い、もの凄く嬉しくて興奮してしまいました。

そして、その興奮は見学・体験後の今なお続いております。

老舗はやっぱり凄かった。

古梅園
店舗正面に掲げられた看板。

古梅園
隣の建物に掲げられた「墨」の看板。墨ってこういう字だったんですね。

古梅園
奥への入口には文化財プレートが掲げてありました。
となりには「宮内省御用」の看板も。


古梅園
[古梅園台所]
登録有形文化財(建造物)


古梅園
元は製墨職人の食事所でした。

古梅園
建物の木材には、ここで採れる墨が塗られています。
天然の防蟻、防腐剤ですね。


古梅園
[古梅園釜屋兼井戸屋形]
登録有形文化財(建造物)


古梅園
今は使っていないようですが、内部の構造は立派でかなり興奮しました。

古梅園
[古梅園銅壺場]
登録有形文化財(建造物)
膠を溶かす釜屋。


古梅園
この窯の中にはお湯が入っていて、
そこに細長い寸胴を入れて長時間湯煎し、液体にします。
不純物が極めて少ない上質の膠は臭くないようです。


古梅園
牛など動物の骨や皮を原料とした膠(にかわ)。

古梅園
[古梅園東内蔵]
登録有形文化財(建造物)
内向きの調度品等を納める蔵。


古梅園
[古梅園製墨説明所]
※梅の樹の隣にある小さな建物
登録有形文化財(建造物)
見学等来訪者に製墨行程を説明する施設として使用され
ています。

古梅園
説明用の道具類が並んでいました。

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その中の不思議アイテム。
これはなんぞや?


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吉宗の時代に日本にやってきた象の鼻なのだそうです。
象から膠をつくる許可を受けて古梅園で保管していたものらしい。


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そんな博物館級のものを触らせて貰いました。
数年後にはガラスケースに入れられていたりして・・・。


古梅園
[古梅園商品蔵]
※左側の蔵
登録有形文化財(建造物)


古梅園
古い看板が飾ってありました。

古梅園
[採煙室]
ここで煤を採取しています。


古梅園
部屋一室に200個の器が並べてあり、
植物性油(この時は菜種油)を入れた小皿に灯心入れ火を灯します。


古梅園
暗くて見えませんが、こういう土器で煤を集めています。

古梅園
200個ある蓋を手作業で20分おきに手作業で少しずつ回転させます。

古梅園
蓋を置いて不完全燃焼させることで煤を採っているんですね。

古梅園
蓋に付いた煤は羽根で丁寧に集めるそうです。

古梅園
イグサの芯をよった灯心も職人さんが作ります。

古梅園
灯心が細いほど上質な煤が摂れるそうです。
ただし、時間がその分、かかります。
※そして値段も跳ね上がる


古梅園
奥の商品蔵まで続く二本のレール。

古梅園
庭を掘ると煤で黒くなった土が出るそうです。
400年分の蓄積物でしょうか。


古梅園
[古梅園細工場]
※左側の建物
登録有形文化財(建造物)
膠と油煙を練り合わせたものを計量して型入れする作業所です。


古梅園
この日の朝の細工場内部屋の気温は氷点下だったそうです。

古梅園
ここで職人さんが練った墨を握らせてもらいます。
※母の手


古梅園
握ったものが今回の体験成果物になります。

古梅園
すぐさま包まないとダメらしい。
乾燥させてきちんとした墨にしてから送って貰います。


古梅園
製品になる墨は木枠に入れて模様付けがされます。
木枠は木肌がつるつるしている特徴のある梨が使われるそうです。

古梅園
[古梅園西灰替倉(西乾燥倉)]
※正面の建物
登録有形文化財(建造物)
型入れ後の墨を自然乾燥されるための施設。


古梅園
一日おきに箱を移動させて行くそうです。
左に送っていくだけでなく、上下も交換するのだとか。
相当体力が必要ですね。


古梅園
箱の中には灰と墨が何層にも入っているそうです。

古梅園
[古梅園北灰替所(北乾燥倉)兼倉庫]
登録有形文化財(建造物)
型入れ後の墨を自然乾燥させる施設として使用されています。


古梅園
数年どころではない長きにわたって墨を乾燥させているそうです。
ここで30年だと仰っていた気が。


古梅園
この後に磨きが入るそうです。
※磨かないものもあります

古梅園
磨くのは国産の蛤の貝殻。
これじゃないと綺麗に磨けないそうです。


古梅園
古梅園の庭には、本当に古梅が植わっていました。
※隣は桜の木


古梅園
見学が終了し、再び店舗へ。

古梅園
こちらが店舗。

古梅園
今回ワタクシが購入した写経用の筆。

古梅園
アドバイスを受け、結局サイズを一つ上のものに交換して貰いました。

古梅園
擦り見本が貼ってあるのが有難い。

古梅園
[五星 紅花墨]
母曰く、定番中の定番品だそうです。


古梅園
母曰く、この商品の場合は星の数でランクが分かるそうです。


ここまで道具を揃えると、絶対に写経をし続けなければと思えますね。

道具から入るタイプゆえ、今回の体験は大変良かったです。

墨の良し悪しが、ほんの小さな欠片だけですが、理解できた気がします。

そして何より、古梅園の老舗プライドに接することができ、

とても良い刺激を受けました。

もの凄くファンになりました。

次の墨が買えるよう、写経を精進したいと思います。

機会があれば、ぜひぜひ見学・体験をオススメします。

今まで博物館で書を見てもイマイチ興味が湧かなかったけれど、

墨の良しあし・・・という視点から、改めて書を見てみようと思いました。

そしていつか、芳名帳に名前を書く際、

ペンではなく筆を選べるようになりたいと思います。



古梅園
【古梅園(こばいえん)】

奈良県奈良市椿井町7番地
営業時間 [月~金] 9:00~17:00
定休日:土日祝 
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昭和生まれの大阪育ち。数十年前から母の実家の神楽坂エリアに生息。食,日本酒,旅,富山県,文化財(建築物),読書等を好み、当ブログではそれらにオマケ情報も加味しています。それなりの年齢になり、老眼とか更年期とか諸々の不具合も出て参りました。そんな多様な話をチマチマと記す日々です。
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