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興味あるものを 興味ある人に。

私は諦めを敵とする。 私の日々の努力は実にこの諦めと闘うことである。 (北条民雄)

堆朱

新潟県村上市『藤井漆工 堆朱のふじい』で村上木彫堆朱を観る。

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村上市の伝統工芸品といえば、堆朱。

堆朱が工芸品になった理由に、

村上地域が古くから良質な天然漆の産地だったことがあります。

技法は約600年前に京都から寺院建築に来た漆工が、中国の堆朱を模して、

木彫りの上に漆を塗る技法を伝えたのが始まりです。

江戸時代、村上藩の歴代藩主は漆の生産を奨励。

「漆奉行」という役職が置かれるほど藩を挙げて産業振興に力を入れます。

堆朱発祥の中国の図案を取り入れたり、鎌倉彫りの技法を改良したりして

今の村上堆朱になっているようです。

中国の堆朱は木材や金属に何度も漆を塗ってから彫りますが、

村上堆朱は木を彫ってから何度か漆を塗ります。

村上堆朱は本場中国の堆朱のように漆を極端に厚く塗り重ねることはなく、

彫りも中国のそれよりは浅めです。

ゆえに、ワタクシのような一般人でも村上堆朱は手に入れることができます。

今日は予算一万円前後で手に入るものを求めて、専門店に入ってみました。

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入口の天井に注目。格天井のようになっています。
中に入ると価格帯がさまざまな作品(商品)が見易く並んでいました。

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商品は撮影禁止ですが、制作過程について説明されているコーナーがあったので
許可を貰って撮らせていただきました。

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茶托が出来上がるまでの工程が、実物とともに紹介されています。
彫ってから漆を塗るという工程が一目でよく分かります。

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やっぱり弁柄を使っているのか。
調べたところ、弁柄発祥の地である
備中吹屋(びっちゅうふきや)地区の弁柄が使われているようです。
北前船で運ばれていたようですね。

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塗れば塗るほど赤い色が際立つんですね。
手前は地紋の見本です。

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高級(高価)な作品にはこのような細かい彫が入っていたりします。

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購入を決意したのがこちらの急須台。
艶消し(最後の漆を塗った後、「摺り漆」という技法)は
傷が目立たないので丈夫だそうで、
磨くと色が変わるのが特徴らしいです。
選ばせて貰えたので、何度か磨かれている右側を選択しました。
こちらは商品ですが許可を得て撮らせていただきました。
写真で見ると左側の方が深い色に見えますが、
実物はもっと色味が異なります。

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上の写真の急須台とシンプルな朱色の玉の根付を購入しました。
玉の根付は2,200円(税込)。

訪問した同時期に、伊勢丹新宿店でイベントを行っているとのことでした。

伊勢丹新宿店でのイベントならば、手が届く価格帯のものがあったかどうか。

実際に地元の専門店で、さまざまな作品を観て、奥様から話を伺って

手頃なものを購入するのは、それこそイベント感があって楽しかったです。

とても魅了された作品が一つあったのですが、

それはどう見ても手に入りそうな価格とは思えずないほど立派な重箱でした。

あんな重箱を持っていたら、毎年おせちづくりに勤しむわ。

もしくは、かなりの頻度で磨いちゃいそう。

いつかあれが買える身分になったら迎えに行きたいけれど、

その頃には物が無いか、いまよりももっと値上がりしているだろうなぁ。

何はともあれ、村上堆朱の初級編としては良い学びになりました。

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【藤井漆工 堆朱のふじい】

新潟県村上市鍛冶町3-6
営業時間 9:00~18:00, [土日祝] 9:00~17:00
定休日:不定
https://tsuisyu-fujii.co.jp/


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山形県上山市『蟹仙洞(かいせんどう)』に国指定重要文化財の堆朱を観に行く。【写真多用】


閉業

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蟹仙洞旧長谷川家住宅主屋

『蟹仙洞(かいせんどう)』は上山で製糸工場を経営していた、故長谷川兼三氏のコレクション4,000点を収蔵・展示する私設美術館。山形県置賜地方から移り住んだ故長谷川兼三氏が住んでいた家をそのまま美術館として解放しており、日本随一とされる中国の明・清時代の漆工芸品などが展示してあります。

特に、国指定重要文化財である中国明時代の漆工芸品「堆朱印箪笥」を所蔵することで有名でして、今回はそれを観たくて、旅の目的地に加えました。

かみのやま温泉駅から徒歩5分程度のところで、大変アクセスの良い場所にあります。巡回バスの停留所も近いので、温泉がある山側に行くのも便利。住宅を美術館利用しているため、コンパクトで展示品も見易いので、かみのやま温泉での観光スポットとしてオススメです。

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雰囲気のある玄関に期待値が高まります。

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建物も文化財だったことは知りませんでした。
ノーマークだったので、ちょっと驚き。

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玄関の土間が広く、正面に蔵があります。
(この写真は蔵の中から撮っています)

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間取りらしきものがありました。

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興味が無いので覚えられない刀と太刀の違い。

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この蔵の展示は刀や太刀好きにはたまらないんだろうなぁ。
という中から「あ、これ、良い」と思った品がこちら。

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この爪楊枝のでっかいサイズみたいなのって名称は何で何に使うんだっけ?
と思うも、いまだに検索もせず。

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小柄(こづか)と笄(こうがい)の違いもあまりよく分からないワタクシ。

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部分名称が多くて絶対覚えられないと諦めたけど写真には撮っておく。

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しかし細工物は大好きなので、こういうものはガン見します。

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風神ですかな。

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説明が加えられている作品もあります。

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これ、すごくないですか?

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葛布の襖紙(高級襖紙)と思われ。

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葛布と芭蕉布の違いを東西でしか分けられないもんで、
実際のところは分かりませんけれども。

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謎の隙間を通ると広い廊下に出ます。

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抜けたところを振り返るとこんな感じ。
増築したのかな?

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畳が不祝儀敷きになっているのに意味があるんだろうか?
それとも左側に部屋があって大広間になるのかな?

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二階は非公開になっています。
天井が高いので立派なお座敷があると推察されます。

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漆喰塗りのモダンな洋間。
陽射しが降り注ぐ明るい部屋です。

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木製床の模様も凝っている。

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洋間には屋根裏部屋があるっぽい。

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外観はこちら。

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敷地北西隅に建つ蟹仙洞展示館。
鉄筋コンクリート造一部・木造2階建て
国登録有形文化財(建造物)

こちらは間違いなく増築部分でしょうな。

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楼閣人物填漆箪笥
国指定重要文化財
(中国明時代宣徳年代:1426年~1435年)
縦32.5×横38.7×高さ36.1cm

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紫禁城で使用されていた箪笥なんだとか。

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蓋に描かれているのも紫禁城なんだろうか?

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精緻な模様が隙間なく施されています。

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堆朱らしい堆朱だと思う作品がこれ。
以下、気になった作品2種。

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花虫香合

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素晴らしいと思ったのがこれ。

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井上馨愛用の香合ってところに反応。

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細工が精緻で、かなり立派な作品ですね。

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故長谷川兼三氏は蟹モチーフがお好みだったらしい。

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いつもその形が謎だと思っている如意。

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日本の「孫の手」と同義らしい。

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払子って、元来はインドで蚊などの虫を追い払うために用いたものだったとか。

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凄いけれど、なんか怖いなと思った香合。

蟹仙洞旧長谷川家住宅主屋は大正時代の建築で国登録有形文化財(建造物)に指定されています。
廊下は桂の木、柱や建具などは杉の木が使用されているとか。

今回は堆朱をメインに見学したため、建物についてじっくり見ることはしておりませんが、ざっと見ただけでもかなりの規模で伝統的な木造建築物なのに近代的な印象を与える建物だと感じました。

次回再訪することがあれば、建物と庭を観賞したいと思います。


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【蟹仙洞(かいせんどう)】

国指定登録有形文化財
山形県上山市矢来4-6-8
(かみのやま温泉駅 東口より徒歩6分)
開館時間 9:00〜17:00
※12月~2月は15:30まで
休館日:火曜、年末年始(12月29日〜1月5日)
※12月~2月は火・水・木曜の3日間
入館料:大人 500円
https://www.kaisendo.jp/

◆アクセス覚書
 < 市営バス 市内循環線 >
 矢来四丁目公民館前or須田整形外科医院前下車or乗車
  【路線図】https://www.city.kaminoyama.yamagata.jp/uploaded/attachment/10411.pdf
  【時刻表】https://www.city.kaminoyama.yamagata.jp/uploaded/attachment/12330.pdf


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sava!プロフィール

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昭和生まれの大阪育ち・新宿区在住。食,日本酒,旅,文化財(建築物),読書等を好み、当ブログではそれらにオマケ情報も加味。それなりの年齢になり、加齢・老眼・更年期などと付き合う日々。そんな話をチマチマと記しております。
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