
AINO AALTO(アイノ・アールト) Architect and Designer
―Alvar Aaltoと歩んだ25年―
会期:2016年8月12日(金)~10月31日(月)
10:00~18:00 (最終日~17:00)
※土日祝は休館
会場:Gallery A4(ギャラリーエークワッド)
東京都江東区新砂1-1-1
入館料:無料
フィンランドが生んだ20世紀を代表する建築家アルヴァ・アールト(Alvar Aalto)。
その妻であるアイノ・アールト(Aino Aalto)の生涯とその素顔に迫る企画展が、
江東区のギャラリーエークワッドで10月末まで開催しています。
竹中工務店東京本店1階にあるため、開館は平日のみ。
最寄り駅は東京メトロ東西線・東陽町駅。
3番出口を出て割とすぐの場所にあります。
恥ずかしながらワタクシ、
イッタラ社の「ボルゲブリック」をデザインしたのが彼女だったとは、
この日まで知りませんでした。
アイノ・アールトは
「日常生活こそデザインされなければならない」
という信念のもと、
簡潔な美と機能性を備えた家具や照明器具、食器など
多くのデザインを手掛けています。
実用的で簡潔で、しかも安く大量生産ができ、
一般大衆も手に入れられることを目指したデザイナーでした。

[ボルゲブリック]
1924年にアルヴァ・アールトと結婚。
男女一人ずつ2人の子供にも恵まれています。
1949年にアイノが癌で死去するまで、
作品には必ずアイノとアルヴァと署名していました。
享年55歳。

[ヴィラ・フローラの模型(夏の家)]
一家4人が夏に過ごした家で、その様子が映像として流れています。
(後ろ左側)


現在はお孫さんが管理をして居られるのだとか。
ヘルシンキ中央駅から徒歩7分にある、
誰もが憧れる老舗レストラン「Ravintola Savoy(ラヴィントラ・サヴォイ)」。
アールト夫妻が内装を手掛け、1937年にオープンしています。
現在も、夫妻が手がけたインテリアを楽しみに来店する人も少なくないそうです。
その内装を一部再現したものが展示してありました。

[レストラン・サヴォイを再現]
コーナーによっては写真撮影禁止があるものの、よくよく見ると撮影OKの場所もある。
その中でも、ここは家具に触れることもOKとされているコーナーです。

建築だけなら記憶に残らなかったかもしれませんが、
好きな食器のデザインも手掛けた建築家として強く印象に残りました。
と言いつつ、なかなか名前が覚えられないんですけど。
夫がアルヴァで妻がアイノ。
「ア」が多すぎて、「A」が多すぎて、なんともややこしい。
さて夫婦二人三脚で作品を作り続けてきたアールト夫妻。
仲も良かったと言われているものの、
アイノが他界した3年後の1952年、
アルヴァ・アールトは事務所のスタッフであった23~24歳年下の建築家
エリッサ・マキニエミと再婚しています。
エリッサ・マキニエミ30歳、アルヴァ・アールトは54歳でした。
アイノがアルヴァの4歳年上だったから、その反動なんですかね?
エリッサとアルヴァはテキスタイルも手がけており、
1954年に作られた「SIENA」、エリッサが手掛けた「H55」は、
現在もartek(アルテック)社で製造・販売されています。
若い頃は姉さん女房に守られ、壮年になったら若い女房に癒され、
ワタクシから見ると理想的な伴侶選びをしているなぁと思えるアルヴァ・アールト。
その点からも、記憶に残る企画展でした。