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[千歳館主屋(ちとせかんしゅおく)]
木造2階建、鉄板葺

事前に予約をし、ランチ時に『千歳館』に行って参りました。

千歳館の創業は1911年(明治9年)。

1876年(明治44年)に山形市大火で建物を焼失し、1915年(大正4年)に現在地に移転して営業再開。

主屋(大正4年)、客室ちとせ(昭和5年)、客室つる(昭和2年)は、国の登録有形文化財(建造物)になっておりまして、今回の予約も実はそれ目当てだったりします。

文化財登録基準は「再現することが容易でないもの」だったそうで、西側は洋風の外観、東側は和風の外観となっており、玄関ポーチには車寄せがあり、大正モダンなデザイン。

想像以上に見応えのある建物でして、料理はそこそこに複数個所を見学させて頂きました。

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玄関ポーチ車寄せの天井。

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正面玄関の控えめな表札。

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かなり大きな玄関で、下足番の方も居ます。

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内側から見た玄関。とにかく広いです。

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廊下の先、左側に鹿鳴館ホールという洋室があります。

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廊下にある窓は通気のためか。

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巾木部分も竹と瓦が使われていて凝った造りとなっています。

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離れに向かう廊下の天井。
釿削りで凝りまくりです。


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[千歳館客室つる]
国登録文化財 建造物


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開口部が多く、明るい部屋です。
この一室独立して文化財に指定されています。


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照明器具が分かり易く大正・昭和初期っぽい。


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絶妙なバランスで立つ石灯篭。

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二階も見学させてもらいます。
階段幅がかなり広いです。そして急。


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二階の120畳の大広間。
支えなしの大空間です。


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二階大広間には舞台も付いています。

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この額は同館が紹介されている本にも載っていました。

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天井に下がる照明器具。好みです。

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別の二階広間。
こちらは映画「るろうに剣心」のロケで使われたそうです。


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映画では左側の戸がすべて取り払われて撮影されていました。

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一階待合室にあったポスター。
歴史の古さを感じます。


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こちらは「松の間」の床柱。
松の間ってことは、松の床柱なんでしょうね。


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同じく松の間の書院にも松の意匠がありますね。

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右側は完全予約制・昼夜席それぞれ1組貸切りで営業する「素仁庵」。
接客スタッフが居ない料理店だそうです。


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建物の脇にある、現在は使われていない出入口。

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タイル張りの円柱は、当時はモダンだったのだろうと推察されます。

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庭の巨樹を一本撤去したのだそうです。
茂りすぎて他の樹が枯れ始めていたのが撤去理由とか。
切り株からはかなりの巨樹だったろうと推察されました。


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撤去したからか、確かに庭には光が差し込んでおりました。

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庭に残る樹とほぼ同じサイズだったそうです。

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残った巨樹も立派で遠くから見るとその威容がよく分かります。

ご当主と、女将さんが代わる代わるに歴史や建物について説明してくれます。

かなり面白かったです。

お二方とも、接客業が天職だなと感じました。

一般的にこのような文化財を維持するには相当の覚悟と費用がかかると聞きます。

今回の巨樹の撤去費だけでも百萬円以上は掛かっているそうですし。

誇りと意地がなければ続かない稼業かもしれませんね。

一見の価値ありな文化財内での食事。オススメです。



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【千歳館】

山形県山形市七日町4-9-2
営業時間 11:30~22:00(L.O.21:00)
定休日:年末年始
※カード可(VISA、MASTER、JCB、AMEX、Diners)
http://www.chitosekan.com/


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