1908年(明治41年)5月5日に着工した盛岡銀行本店。
工期は約3年かかり、1911年(明治44年)4月30日に竣工しました。
開業は、同年5月7日。
2012年までの約100年間銀行として使われ、
2016年からは多目的ホール兼展示施設として使われています。
辰野金吾と、盛岡出身の葛西萬司が設計した建物で、
辰野作品としては東北で唯一現存する建物です。
東南隅にある八角形の塔と、南面の西寄りにある四角形の塔がシンボル。
図面もありました。
交差点の角地に入口があります。
入口の吹き抜け。
内装材には青森ヒバが使用されています。
スタンプも吹き抜け部分の絵になっています。
1階吹き抜けを囲むように、回廊がめぐらされている2階。
現在は照明がLEDだから明るいですが、
当時はもう少し暗かったのではないかと推察されます。
上げ下げスクリーンが設置された一階の営業スペース。
旧支配人室の戸口上の孔雀の透かし彫り。
高い腰壁で覆われた金庫室。
上の開口部は閉じ込められた際に内部から脱出するためのもの。
日本橋馬喰町の「竹内金庫」製造だという刻印。
片仮名でイロハと刻印してあるダイヤル。
鍵穴の蓋には「神武天皇即位紀元二千五百六十三年」と刻印されています。
漆喰で塗り込められた頑丈な壁と床。
壁には神様の絵が貼ってありました。
ものすごく重要な場所だってことがよく分かります。
二階の床下に見えるのは金庫室の天井部です。
金庫室は建物の中に入れ子式に設置されています。
木製サッシの窓の外側には鋼製シャッターが付いています。
この取り外し可能なハンドルを使い
孔に射し込んで回すとシヤッターが開閉できます。
暖炉は計4か所にあります。
マントルピースは蛇紋岩と白大理石の豪華なものです。
第一応接室。
暖炉上部には鏡が添えられていた痕跡がありますが、
現在は失われています。
外部から見た暖炉の煙突。
こちら側に暖炉のある貴賓室などがあります。
赤レンガに花崗岩の帯が特徴的な外壁。
1階から2階への階段は3か所あります。
親柱の上の意匠はチェスのビショップを模しているんですかね?
ここは行員が利用する階段で少し狭くなっています。
こちらは賓客が利用する階段で、ゆったりとした広さがあります。
しかも明るい。木材は全てケヤキを使っています。
アカンサスというか、松ぼっくりというか。
各部屋のドア上には欄間装飾があります。
通路にも漆喰飾りが施されています。
旧総会室の出隅は優美なアールになっています。
出隅の壁にある漆喰の装飾。
床は当時は板張り仕上げでしたが、
アイオン台風後にリノリウムが敷かれたそうです。
補修工事で床板を貼りなおしたのち、
新しいものに貼り換えられたそうですが、
階段付近は当時のままなのかもしれません。
1階中央吹き抜けの事務室。
開放感があっていい職場って気がしますね。
2階から勤務態度を見られまくりになりますけど。
天井のネールディングは銀行の地図記号を模しています。
一般的な開口部サイズは右。
左はワタクシが通れる程度の狭さのドアが付いています。
防犯ってことなんでしょうね。
1階の営業スペースの腰壁には蛇紋岩が使われているようです。
1936年に岩手殖産銀行本店になり、
イメージ一新のために1958年まで外壁が白く塗装されていました。
鉄格子の填った窓もあります。
外壁が白く塗られていた頃は、「白い明治館」と呼ばれていたそうです。
外壁の煉瓦は全て岩手県内で焼かれたものなのだとか。
さすがの辰野金吾作品。
さすがの重要文化財。
有料エリアは300円支払えば入れます。
払った方が良いかも。
【岩手銀行赤レンガ館】
岩手銀行(旧盛岡銀行)旧本店本館
岩手県盛岡市中ノ橋通1-2-20
営業時間 10:00~17:00(入館は16時30分まで)
休館日:火曜、年末年始(12月29日~1月3日)
岩手銀行(旧盛岡銀行)旧本店本館
岩手県盛岡市中ノ橋通1-2-20
営業時間 10:00~17:00(入館は16時30分まで)
休館日:火曜、年末年始(12月29日~1月3日)