
1923年1月12日に設立された日本勧業銀行(第一勧業銀行)台北支店は、開拓、土木、水利、農業資金の融資などを主として、不動産と拓殖金融をの業務を行う唯一の銀行でした。
現在の建物は1933年竣工。1997年に台北市市定古跡に登録されています。
2008年から修復工事が始まり、2009年に竣工。現在は国立台湾博物館の別館となる「土銀展示館」として一般公開されています。(土銀は土地銀行の略)
ワタクシは今回、人の気配のない「古蹟修復室」フロアの見学をすっ飛ばしましたが、ここにこそ、この建物の修復のノウハウが詰まっていたようで、詳細な展示がされていたらしいのです。帰国後、下調べは必要だったなと感じました。

関東大震災の翌年に建てられているため、
当時の最新技術が取り入れられているようです。

この装飾は照明器具の取り付け部分かと思いきや、換気孔なんだそうです。

亭子脚(ティンアカ)と呼ばれるアーケード。
公共のために歩道として開放してありますが、私有地です。


アーケードの一片にはこのような床面アートが施されています。


シシ神様みたいなものも。




気になったのはこの個所。


ロッカーが洒落ているんです。


博物館らしいロッカーだとも思えます。

このような一角もありました。


ガス計量器のブースです。
ガス!


当寺の館内にもクーラーが設置してあったらしいので、
ガス冷房だったのかも。

修復されず、そのまま残して展示してある箇所。

ちなみに展示内容は、男の子が大好きな恐竜の骨格標本です。


三階分の広大なフロアの天井は漆喰塗り。
左官職人の腕の見せ所です。


華美ではないものの華麗なモールディング。


白いところは左官職人が修復した箇所。

通路の先に興味深いものを発見しました。


壁の構造について密かに展示してある一角です。


ここには美しい結霜ガラス(けっそうがらす)が填めてありました。

窓には鉄格子が填められ、窓ガラスは耐火用のラスが入っています。

エレベーターで4階まで上がってみました。
同施設の屋根が望めます。
瓦じゃないんだね。


同じ位置から視線を移してみた。
台湾旅をしているとあまり体感できない視界が広がっています。

よく見なかったのですが、壁面のレリーフも修復対象だったようです。
日曜日なので大勢の子供連れで大混雑していました。
じっくり見たいなら、平日の見学が良いかもね。
って、今は夏休みか。
2017年の記事はコチラ。

【国立台湾博物館 土銀展示館】
古蹟登録名「勸業銀行舊廈」
台湾台北市中正區襄陽路25號
No. 25, Xiangyang Road, Zhongzheng District, Taipei City
開館時間 9:30~17:00
休館日:月曜