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「花の命は短くて苦しきことのみ多かりき」

とは、林芙美子が好んで書いた言葉。

しかし彼女の未発表短詩のこの箇所は、

花のいのちはみじかくて
苦しきことのみ多かれど
風も吹くなり
雲も光るなり


と変わり、続くのだそうです。

明治から昭和を生き抜いた人の「苦しきこと」は、

令和を生きる我々の「苦しきこと」とは違い、

女性の生き難さ、息苦しさ、もどかしさを感じるため、

この時代の女流作家の作品を読むのが苦手なワタクシです。

ゆえに林芙美子さんの作品を読んだことがありません。

若い頃にハマりまくったのは永井路子さんの作品でして、

時代小説ばかり読み漁っていた割には歴女にもなっていない

いろいろと中途半端なワタクシです。

ってか、永井路子さんって現在94歳なんですね。

スゴイです。

さて、今年も既に六月が終わろうとしております。

年末からの三か月間を病続きで過ごしたもんで、

あっという間に半年が過ぎようとしていることに今日気付きました。

ヤバいです。

五十歳に向けて加速がついてきた感が無きにしも非ずです。

しかもこの半年、大したことをしていません。

梅酒を漬けてもいませんし、断捨離もしていません。

たぶんワタクシは誰に何と言われようとも断捨離をしないと思います。

どうせ何かで失ったり、死んだら誰かが始末するもの。(他力本願)

それまでは持ち物全てを愛でていたいと思っております。

ってか、建設的な生き方って何なんでしょうね。

必要ですかね。

必要なこともあるでしょうね。

今年こそはレインコートを調達しようと思い続けているのに、

未だに購入どころか探せてもいませんし、

晴雨兼用折りたたみ傘を買おうと思っているのに、

実際に入手できていないのが現状です。

このままだと梅雨が終わってしまう。

ヤバいです。

特に晴雨兼用傘はこれからの季節にも必需品なのに。

でも、ボーっとしてる間に、バーゲンセールシーズン到来です。

イイ感じの傘を、イイ感じの価格で手に入れられないものか。

またはイイ感じのレインコートを、

イイ感じの価格で手に入れられないものか。

ってことをボンヤリ考えているところです。

五月病とは昔からよく聞く言葉ですが、

最近は六月病っつーのもあるらしいですね。

新入社員や異動になった人が訴える「変化疲れ」のことらしいです。

まあ、ワタクシは該当しないんですけど、

「気象病」に罹り易くなっている気がしています。

この病気は近年、患者数が増加傾向にあるそうですよ。

気象病(きしょうびょう)は、近年認知されつつある病名で、気象の変化によって症状が出現する、あるいは悪化する疾患の総称。症状は「天気が悪いと古傷がうずく」といった天気痛のほか、メニエール病、喘息、めまい症、うつ病、頭痛、腰痛、肩こり、神経痛、関節炎、リウマチ、蕁麻疹、吐き気など様々である。心臓発作や脳卒中のきっかけになり、生命にかかわる場合もある。メカニズムの詳細は不明であるが、気圧や気温、湿度などの急激な変化に人体が対応しきれないことが原因とみられる。


家でも母と二人で「怠いわ~」というタイミングが合致しており、

二人とも気象病に一部該当していると考えているところです。

症状を表す人が多くなれば病名が付く昨今。

いったいどれだけの病名が一年間に生み出されるんですかね?

各学会が日本語病名・用語の検討を行っているそうですが、

一年間で生み出される病名数までは判りませんでした。

あまりにも細かい症状にまで病名が付くと、

国内に健康な人は居なくなっちゃうんじゃなかろうか。

そして病名が新しい「苦しきこと」を生み出すんじゃないかと

思わなくもない今日この頃です。

ちなみに、先の短詩の全文は以下の通りです。

風も吹くなり 雲も光るなり
生きてゐる幸福(しあわせ)
波間の鷗のごとく
漂渺とたゞよひ
生きてゐる幸福は
あなたも知ってゐる
私もよく知ってゐる
花のいのちはみじかくて
苦しきことのみ多かれど
風も吹くなり 雲も光るなり


林芙美子(小説家 1903〜1951)

「生きている幸福」。

どんな小さなものでも

「生きている幸福」を感受できる日々であれたらいいなぁ。


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