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渡良瀬遊水地(わたらせゆうすいち)は、足尾鉱毒事件による鉱毒を沈殿させ無害化することを目的に渡良瀬川下流に作られた遊水池で、「池」と書くのかと思いきや、今の国土交通省では「地」という漢字が使われているようです。

思川(おもいがわ)と巴波川(うずまがわ)の2つの川が渡良瀬川に合流する地点にあり、遊水地の領域は、栃木県、群馬県、埼玉県、茨城県の4県に跨るものの、大半が栃木県栃木市に属しています。

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第1調節池の中にある貯水池が谷中湖(やなかこ)で、湖底がコンクリート張りの人造湖であり、利根川(とねがわ)水系8ダムの1つに数えられています。

利根川水系8ダムとは、利根川に建設されたダムのうち、首都圏へ上水道を供給することを目的の一つにしている多目的ダム群のことです。

野木町煉瓦窯を後にしたワタクシは、そのまま自転車で渡良瀬遊水地に入り、先ずは旧谷中村跡を目的地に定めて進むことにしました。

渡良瀬遊水地の面積は約33キロ平方メートル。一部を自転車で走行してみると、その広さが実感できます。
自転車でこの距離感ってことは、徒歩だと如何ばかりか。

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車道も整備されているので、外周は車でも走行できます。

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3月下旬のヨシ焼きのすぐ後だったからか、
草がほとんどなく、見晴らしがよいです。


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はるか遠くに雪山が見えます。方角的には白根山かしら?

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できれば電動自転車が良かったと思える坂道がところどころにあります。

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遠くに車が見えますが、殆ど誰にも会わない。

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ヨシ焼きで画像検索すると、
多くのカメラ愛好家たちが三脚を並べている画像が引っかかります。
整然と並んでいるところに、一見さんお断り的な暗黙のルールを感じる。


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空が広いので、飛行機が接近して飛んでいるのがよく分かります。
空も渋滞しているんですねぇ。(写真は一機のみ)


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ここはサバンナです、といっても納得できそうな風景。

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貯水池に架かる(たぶん)東橋。

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土手では菜の花が満開でした。

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環境省のレッド・データブックに掲載された絶滅危惧種が多く発見されているということで、2012年(平成24年)7月3日、ラムサール条約に登録されました。

しかし、遊水地の土壌には2010年調査時でも銅などの鉱毒物質が多く含まれているそうです。

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ハート型の貯水池部分。遊水地はその上側も含まれるようです。

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コンクリートで覆われたダム湖岸。
この日の貯水量はかなり少なかったですが、
逆に雨季はどうなるのか興味が湧きます。


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まだまだお花見が出来そうです。

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土手から見た遊水地。

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[渡良瀬調節池第1排水門]
開閉方式はワイヤーロープウインチ式。


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桜の薄いピンク、新緑が出そろわない木々の淡さ、
その向こうに連なる青い山々が何とも良い感じでした。


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新古河駅付近の土手にある、カスリーン台風決壊口跡の碑。
(渡良瀬川決壊口)
1947年(昭和22年)9月に発生した台風は、、
GHQ占領下の日本の関東・東北地方に大きな災害を齎しました。

北関東の歴史を知るには、渡良瀬川沿いの歴史を避けて通れない気がします。
足尾銅山然り、後述する旧谷中村然り、田中正造然り。
ワタクシは文字では覚えられない性質なので、一歩一歩、その土地を歩いて学んでいるところです。その方が、リアル感も増す気がします。
まだまだ不足している知識ですが、改めて足尾銅山を見たいと思っています。今見たら、感じ方がもっと多い気がする。年内に達成したい野望の一つです。

今回、渡良瀬遊水地の一部を自転車走行したことで、この辺りがより身近に感じられるようになりました。
良い経験でした。誰かに勧めたい経験でもあります。感じ方は人それぞれなので、「ただのだだっ広い土地じゃん」とか言われそうではありますけどね。

ちなみに有名な「栃木市・渡良瀬バルーンレース」が、7日まで藤岡渡良瀬運動公園をメイン会場に行われてたらしいです。カラフルな気球を飛ばす競技のことね。めっちゃフォトジェニックな光景なんですって。
興味はありましたが、渡良瀬遊水地は広すぎて会場までは遠いので今回は止めておきました。
機会があれば、いつかたぶん。




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