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下野国(現栃木県)の和紙の歴史は古く、奈良時代の書物に「写経料紙を産出す」と書かれていることから、奈良時代が起源とされています。

その後の鎌倉時代、建保年間(1213年から1218年までの期間)に、那須氏が越前の国(福井県)から紙すき職人を招き、那須奉書を創製したのが烏山和紙の始まりだそうです。

江戸時代になり、同地が水戸藩の領地となってからは、徹底した紙専売制が行われたため製紙業はさらに発展しました。

栃木県那須烏山市で作られる楮紙は烏山和紙((からすやまわし)を代表する和紙で、程村紙(ほどむらがみ,ほどむらし)と言われ、品質が高いことで知られる那須楮を原料とし、厚手で丈夫なのが特徴で"厚紙の至宝"と評されています。
程村紙の名称は、かつて烏山町境村にあった程村地区が産地であったことに由来しています。

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1970年(昭和45年)には烏山町無形文化財に指定され、1977年(昭和52年)には記録作成等の措置を講ずべき無形文化財に選択されました。
明治百年行事では通産大臣賞を受賞しています。

1977年、茨城県山方町(現・常陸大宮市)西野内で作られた「西の内紙(にしのうちがみ)」とともに国の無形文化財「記録作成等の措置を講ずべき無形文化財」に指定されました。
※ユネスコの無形文化遺産に登録されているのは、石州半紙(島根県浜田市)と本美濃紙(岐阜県美濃市)、細川紙(埼玉県小川町,東秩父村)。

程村紙(ほどむらがみ,ほどむらし)の用途としては、烏山藩藩札、襖や障子、投票用紙などで用いられた歴史があり、明治時代には輸出もされ、書画の印刷用に用いられたようです。

現在は県内外の多くの学校の卒業証書、山あげ祭の山(背景画)に用いられています。

さて、烏山駅から徒歩圏内のところにある「烏山和紙会館」では、烏山和紙の紹介や和紙製品の展示、販売などを行っています。

建物は大正12年(1923年)に烏山病院として立てられたもので、市の近代化遺産に指定されています。

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木骨モルタル二階建て、切妻屋根の疑洋風建築。
エントランスは直線のモダンな意匠。


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照明器具は小ぶりでした。

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入り口にガチャがあったけれど、販売休止中でした。残念。

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和紙を壁に貼っているのですが、ちよっと中学校の学祭っぽい。

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壁面の劣化が著しいてすね。

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[建物裏側]
縦長の上げ下げ窓や半円状のドーマー窓の木枠が黄色いのは
元からの色を踏襲しているのかしら?


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(クリックで拡大)

外壁と窓枠の色に違和感がかなりあります。病院時代からこういう色だったとは思えないので、改修時にこの色にしたのかしら。センスがちょっと・・・。

9時開館なのですが、内部は人の気配がなく、照明も点いていませんでした。
観光客があまり来ないのかも。看板にある「クラフト館」も開いておらず、ほとんど買い物ができませんでした。

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程村紙がどれか分からないという売店で、
これは少なくとも烏山和紙だと確信が持てるものを選びました。
もしかしたら程村紙を自力て探すのは至難の業なのかも。



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【烏山和紙会館】

※栃木パスポート おもてなし施設
栃木県那須烏山市中央2-6-8
(JR烏山線 烏山駅から徒歩10分)
営業時間 9:00〜17:30
定休日:火曜
http://www.fukudawashi.co.jp/


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