
富山市内にある『薬種商の館金岡邸』。
ずーっと行きたいと思っていたのですが、今回の旅でその願いが叶いました。
富山地方鉄道で電鉄富山駅から3駅程度のところにある「東新庄駅」で下車。
カフェに立ち寄ってからこちらにやって参りました。
周囲には古い建物が数件あり、いいロケ地になりそうだなぁと思っていたら、
実際、岡田准一さんの映画のロケ地になったそうです。
こんど、映画を観たいと思います。

[旧金岡家住宅門]
登録有形文化財(建造物)


瓦葺の薬医門で賓客用。


[旧金岡家住宅新屋]
登録有形文化財(建造物)


屋根には贅沢にも懸魚があります。


門には「明治天皇町新庄村御小休所趾」と刻んだ標柱が建っています。
※明治天皇は新屋部分にあった旧草野邸に小休しましたが、
その後草野家は没落しています。
隣家だった金岡家がその跡地を買い取り、後に標柱を建てました

[旧金岡家住宅主屋]
登録有形文化財(建造物)
母屋部分は瓦葺の木造2階建て。


母屋の一階庇は檜皮葺っぽい。


明かり取りの小さな塔屋があります。


一部外壁は鼠漆喰っぽい。


複数の建物が、国の登録有形文化財に指定されています。

壁一面の薬たんす(百味箪笥)が圧巻。


店名「丹霞堂」の扁額は明治の書家・日下部鳴鶴の手によるもの。

こんなところにライチョウがいました。
これ、可愛い。

母屋の隣に新屋が増築されています。結構広い。

ミセには、薬の看板が所狭しと飾られていました。

ミセの奥の母屋の吹き抜け部分。
立派な梁が組まれています。

母屋から新屋へ続く廊下の開口部は、ガラス戸の意匠がおしゃれです。


廊下の梁には磨き丸太が使われていました。


床はヒノキかな。一枚板が贅沢です。

新屋の玄関。
来賓用の玄関ゆえ、豪華です。畳敷きだし。


備品も寄贈されたっぽいですね。太っ腹だ。

襖絵も素晴らしいのです。

新屋の回廊も畳敷き。
当時は高価だったであろうガラスがふんだんに使われています。


二間続きの大きな座敷は圧巻の造りです。
ってか、回廊の照明器具の設置数も多いし。

玄関から座敷を望む。筬欄間が凄まじいです。
手前の襖のモダンさに違和感があるのですが、貼り換えたのかな?


個人宅としてはあり得ないほどの格調の高い「折り上げ格天井」!


身分の高い人のための天井でございます。

床の間の天井など、見えない部分も凝った造りになっています。

書院造りの豪華な床の間。


何やら引手のようなものが付いています。


何かの角?を使った・・・これは飾りなのだろうか?

モダンな組子障子。


書院の彫刻欄間の模様が蛾に見えてギョッとした。

時間が無くて見学をすっ飛ばした部屋もあります。

庭に出られないのが残念です。

母屋側面は板張りになっています。

奥に見える土蔵も文化財に指定されています。

ロケ地として使われた映画のポスターが貼ってありました。


圧倒的な財力を見せつけられた感のある建築物です。
凄まじいです。
どこを見てどこを撮るべきかで迷いまくる内容でした。
美術鑑賞といえる建物だと思います。
再訪して、見逃した個所をじっくり見てみたいかも。
ってか、岡田准一さんの映画を見てみたいです。
どんな映像になっているんだろう?
気になります。

【薬種商の館金岡邸】
富山県富山市新庄町1-5-24
(最寄り駅:富山地鉄本線 東新庄駅)
開館時間 9:30~17:00
休館日:火曜、年末年始
http://www.bunka-toyama.jp/kanaoka/