
[2018年8月現在の九段会館]
旧称:軍人会館
2022年にはこの外観は見られなくなります。


[2016年3月の九段会館]
2016年にはあった立体駐車場がいつの間にか撤去されていました。
九段会館が東急不動産の所有に移行し、2022年までに複合ビルに再建されます。
2011年3月11日、東日本大震災でホール天井の一部が崩落。
卒業式で集まっていた約593名のうち2名が亡くなり、建物は閉鎖されました。
この震災以降、建築物の天井脱落対策の規制が強化され、
建築基準法施行令の一部を改正する政令が2014年4月に施行しています。
罹災するまで当施設を運営していたのは日本遺族会でしたが、
2011年4月12日付で当施設の運営を廃止し、土地も含めて国に返還することを決定。
2016年6月2日に関東財務局の有識者委員会が、
歴史的価値を生かしながら高度利用を図る方針を決定し、
翌2017年9月20日に一般競争入札で土地・建物を東急不動産が落札しました。
今年2018年3月1日に国と合意書を締結し、
70年間の定期借地による同会館の一部保存・建替え事業に着手しています。
1934年(昭和9年)に竣工した分かり易い「帝冠様式」の同建物は、
鉄骨鉄筋コンクリート構造。
設計は同潤会アパートなどにも関わった川元良一です。
同氏は他に銀座1丁目の奥野ビル(旧銀座アパートメント)も手掛けています。(←現存)
1936年(昭和11年)「二・二六事件」の戒厳司令部が置かれたり、
1937年(昭和12年)愛心覚羅溥傑と嵯峨浩の結婚式が行われた場所。
歴史的に価値のある建物です。
東急不動産と施工会社の鹿島建設によると、
現在の建物は北側と東側部分をL字状に保存(一部復原)して
宴会場、カンファレンスセンター、シェアオフィス、店舗などとして活用し、
新築する高層建物は、主にオフィスおよび店舗としての利用を予定しているそうです。

既に工事が始まっている現在の九段会館(内堀通り側)。


2014年5月の九段会館
(上の写真と同方向から見た建物)

2018年8月現在の九段会館

屋根上にある鯱をよく見ると、ロボっぽい形をしていました。
眼からビームとか出しそう。

保存される予定のメインエントランス部分。


建物正面の上部にある意匠はガンダムっぽい。
(鬼の意匠です)
昭和初期の建物とは思えん意匠に驚きました。

採光部の窓枠の意匠がカッコイイですね。
矢印だらけって感じで。

現在の建物にはタイル剥落防止用にネットが掛かっています。
入口両サイドにあったパネルは撤去されていました。

よくよく見ると窓のカーテンが古そう。
学生時代に来た時の記憶しかないけど、
内部の絨毯もカーテンも赤かくて重厚感があった気が・・・

凹凸のある貼り方が面白いスクラッチタイル。

屋根瓦の美しさが特に目を惹きました。これは綺麗だ。
いつかこの屋上にあるビアガーデンに行こうと思っていたのに、
ついぞ叶わず。
オリンピックもあり、建物の撤去や改修などが至る所でなされているため、
今のうちに見られる建物は見ておきたい、写真に残しておきたいと気が急きます。
いつでも来られると思うのは間違いですね。
こうして立て直されてしまったりするんですもの。
二度と見ることが出来ない建物となってしまった九段会館。
もの凄く残念だし、無念です。