八千戈神社

賎機山(しずはたやま)の麓にある『静岡浅間神社』は、

神部神社(かんべじんじゃ)、浅間神社(あさまじんじゃ)、大歳御祖神社(おおとしみおやじんじゃ)

三社の総称です。

その境内に、八千戈神社(やちほこじんじゃ)はあります。

主神は八千戈命(大国主命)で、

明治6年以降に合祭された19社の神々[注1]も相殿されています。

もとは徳川家康の念持仏であった摩利支天像を安置するために造営され、

摩利支天社と称しました。

明治初年の神仏分離に際して摩利支天像は臨済寺(今川家菩提寺)に遷され、

それ以降、の社は八千戈神社となりました。

静岡浅間神社内の社殿は、4年から50年毎に大規模改修されています。

前回は昭和49年から62年に行われ、

現在の姿はその折に塗られたものが風化したものです。

静岡浅間神社
境内にある計画表を見ると、
八千戈神社の改修は平成41年からになっていますね。
来年になったらこの計画表の元号も変わっているでしょうから、
この表が見られるのも今年度中のみってことですね。


静岡浅間神社
改修が終了したばかりの少彦名神社(すくなひこなじんじゃ)。
まだ工事の柵は外されていません。

今後、平成の大修理として20年かけて境内の社殿が順次塗り替えられ、

八千戈神社も11年後頃から5年かけて改修される予定となっています。

つまり、塗り替え前の建物が見られるのは、今だけってこと。

15年後に再訪できれば、beforeとafterの比較ができるかもしれませんね。

それまで、生きていられるかは謎ですが。

八千戈神社
凄まじく絢爛豪華な建物で、ワタクシはここが一番気に入りました。

八千戈神社
かなり立派な破風と唐破風。

八千戈神社
細かい彫刻が、これでもかっ!!と施されています。
二重懸魚もヒレも随分と立派です。


八千戈神社
立派な六葉ですが、
遠くから見ると天狗の鼻に見えて仕方なかったワタクシです。


八千戈神社
唐破風の下の彫刻。
猪の彫刻が良いですね。

八千戈神社
外周の彫刻群をじっくり見てみたいものの、
透塀に囲まれていて見ることは叶いません。


八千戈神社
八千戈神社
兎の毛通しは鳳凰。
金彩の上に朱を塗っているように見えます。
いい感じに朱が褪せて、微妙なグラデーションになっていますね。
火から生まれた火の鳥って感じ。


八千戈神社
どこをどう切り取っても彫刻が素晴らしく、見応えがあります。

八千戈神社
ここはスポーツにも御利益があるらしい。

八千戈神社
手書きの説明書き。平成5年のものですが、
十数年後の改修時にこれはどのような扱いになっているのでしょうね。


八千戈神社
[八千戈神社中門]
国指定重要文化財


八千戈神社
拝殿正面の蟇股(かえるまた)にも注目。

八千戈神社
蟇股の「孟宗」。
冬に筍が食べたいと言う病床の母のために泣きながら祈ったら、
筍が掘れたという孝行話。


八千戈神社
蟇股の「楊香(ようこう)」。
虎に襲われた際、「私だけを食べて、父を助けてください」と祈ったら
虎が大人しくなった・・・とかいう孝行話。


八千戈神社
蟇股(上)の「唐夫人」
年老いて歯がなくなった姑に自分の乳を与え飲ませたという孝行話。
ワタクシはあまり好きな話ではないのですが、有名ですよね。

これらの彫刻は立川和四郎冨昌という諏訪立川流2代目の手によるもので、
諏訪立川流の彫刻は長野善光寺、京都御所などでも観られるそうです。


八千戈神社
簪にしてもトキメキそうな椿の彫刻。

八千戈神社
木鼻の獅子。

八千戈神社
中門の扉の彫刻は肉眼で良く見えなかったのですが、
写真に撮ってもよくわかりませんね。


八千戈神社
神仏一体だったことを示す花頭窓が残っています。

八千戈神社
これが、花頭窓(かとうまど)。

八千戈神社
色彩が綺麗に残っている組物(三手先ですね)。

八千戈神社
本殿は当然ながら国指定重要文化財です。

八千戈神社
色の褪せている部分にムラがありますが、
この要因はなんなんでしょうね。
ただの風雨でこうなるものかしら?


八千戈神社
[八千戈神社透塀]
国指定重要文化財


八千戈神社
透塀の彫刻群はパネルで保護されていますが、
昔の写真を見るとむき出しだったようです。
時代とともに見られる箇所に変化がありますね。


八千戈神社
麓山神社に至る階段側から見た庇部分。

八千戈神社
よく見ると、鯉の彫刻があります。

八千戈神社
防火のまじないでしょうか。
かなり立体感&躍動感のある鯉ですね。


八千戈神社
向拝(こうはい)の脇にある彫刻。
これは・・・松なのか?


八千戈神社
舞良戸(まいらど)まいらどの色もかなり褪せています。

八千戈神社
至る所に見られる葵紋。

八千戈神社
本殿は背後が崖になっており、法面が石垣で覆われています。
かなり高さのある、しかも直線的な石垣です。


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足元にたくさんの実が落ちていました。
はじめ、金彩をほどこしたクリスマスリースの残骸かと思いましたが、
もとからこういう色の実なんですねぇ。何の樹かはわかりませんが。


八千戈神社
小ぢんまりした社殿ですが、見応え十分な建物です。

可能ならば、彫刻全てを見てみたい。

そして、次回は、ここに安置されていた摩利支天像を見に臨済寺に行こうと思います。

公開されているのかは不明ですけど。

次回までに調べておきます。

ってか、記憶を辿っても、一度も摩利支天像を見たことがないかもしれない。

静岡浅間神社
八千戈神社の向かって右側にある黒塗りの建物。
こちらは塗り替えが終わっているみたいですね。
(たぶん)


静岡浅間神社宝蔵
[静岡浅間神社宝蔵]
国指定重要文化財

社殿の前が大型バスの駐車場になっているため、

八千戈神社の遠景を撮影するには早い時間の参拝が必須かもしれません。

その肆】につづく。

静岡浅間神社
時間が経過するにつれ、団体客を乗せたバスが到着し、
次々と外国人観光客を下してゆきます。
そしてどんどん混んでくる社務所の御朱印受付窓口。


八千戈神社と麓山神社の御朱印
御朱印は頑張って登った麓山神社と、八千戈神社のものを
書き置きですが頂きました。



[注1]
浅間神社末社九社(三之御前社,八幡宮,外宮,北野神社,王子社,春日神社;天兒屋根命×2,結神社,荒神社),大歳社末社三社(稲荷神社,宗像神社,荒神社),麓山神社末社三社(熊野神社,岩戸神社,荒神社),旧安倍郡城内鎮座(稲荷神社),旧安倍郡明屋敷村鎮座(国分天神,騎射御霊),旧二番町鎮座(東照宮)


八千戈神社
【八千戈神社(やちほこじんじゃ)】

【静岡浅間神社(しずおかせんげんじんじゃ)】

静岡県静岡市葵区宮ヶ崎町102-1
正式名称:神部神社・浅間神社・大歳御祖神社
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