
大工道具専門の博物館がJR新神戸駅前にあります。
以前は中山手通にあったそうですが、
竹中工務店本社跡地に建てられ、2014年(平成26年)から公開されています。
ここでは日本の伝統的な木造建築の木組などを展示しており、
施設の建造物そのものも復元した資料のような形になっています。
日本では唯一無二の博物館だと思われます。
どうしてもここに来たくて、早朝から足を運んで参りました。

三宮から地下鉄で向かうとかなり遠く感じます。
JR新神戸駅(新幹線)から直接向かうのがラクかも。


入り口からはゆるやかな階段が続いています。

館内入り口へのアプローチ。


こちらが道具館入口になります。
長い庇の木の色と壁の色がマッチしており、
モダンで優美な外観となっております。

館内には大工道具が動画の説明付きで展示してあります。

展示方法はデザイン的にも工夫されていると感じました。


使い方も一目で分かります。

[唐招提寺金堂原寸大組物模型]
館内で最も存在感のある展示物。

[扇垂木(おうぎたるき)]
仏教建築でよく見られる垂木を放射線状に配置した造り。

ワタクシが大好きな懸魚(げぎょ)のコーナーもありました。


この図案集が欲しいと本気で思います。
懸魚って見ていて飽きないですよね。

これは蟇股(かえるまた)。
仏教建築で梁(はり)や桁(けた)の上に置かれ、上の荷重を支える材です。


彫刻を施しても重さを支える機能を保持できるところがスゴイ。


製作途中が見られるのもいいですね。

[スケルトン茶室]
重要文化財に登録されている大徳寺玉林院茶室「蓑庵」の復元模型。


各名称が貼ってありますが全く覚えられませんでした。
茶室について学ぶのはワタクシにはまだ早いと感じます。
(記憶容量に余裕が無い)

鼻血が出そうになった超絶技巧の組子。
この緻密さはやばいです。


これを間近で見られるだけでも訪れる価値があると思う。
本当にスゴイ作品です。
(クリックで拡大)


離れると、近くで見ていると見えなかったものが見えます。

[唐紙障子]
唐紙を貼った襖障子。


このタイプ、どこかの文化財で見たのだけれど・・・どこだっけ?

[火灯窓付蛍壁]




これを蛍壁と呼ぶのだと初めて知りました。
勉強になったわー。


[赤磨きの左官壁]
弁柄が入っているそうです。

畳の断面図も展示してありました。
こんな高級な畳を敷ける身分になりたいものです。
畳表の厚みがスゴイよね。
輸入物では考えられない厚みです。

そういえばジブリ展もやってました。
展示品は撮影禁止です。
ゆえに図録を購入しました。

展示品以外にも興味深いのがこの階段。
段差が低く、ステップ部分が広く、登るのがとてもラクです。
バリアフリーな階段って気がしました。(車椅子は省く)


この壁もすごいよね。
遠目からだと畳に見える。
こんな左官壁の家に住みたいです。

休憩は展示館を出た別の場所でできます。

休憩室に向かいます。


庭には踏み入れませんが、眺めることは可能。

和室もありますが、これも展示品なのかも?

休憩室のドアが気に入りました。
引き戸なのですが、
ゴムなどの緩衝材が無くとも静かにピタリと閉まります。
説明しにくいので観に行ってみてください。


シンプルな休憩室。


自販機が置いてあります。

よく手入れされている庭も必見。


庭師さんが細やかに手を入れておられました。



どちらを見ても綺麗。

これは門を入った右手にある置物。
カエルだよね?と自分の視力に問うておりました。
フクロウかとも思った。
午前なのに館内は老若男女で結構混んでいます。
どういう興味を持って訪れたのだろう?とちょっと気になるマダム集団も居ました。
春休みなのでお子さんも多いです。
ここで知識を得て、実物を観に行くのもいいかもしれませんね。
わざわざ東京から向かいましたが、ワタクシは大変気に入りました。
是非、組子細工を見てください。
オススメです。

ジブリ好きもこの期間は多く訪れるのかもしれませんね。

【竹中大工道具館】
兵庫県神戸市中央区熊内町7-5-1
開館時間 9:30~16:30(入館は16:00まで)
休館日:月曜(祝日の場合は翌日)、年末年始(12月29日~1月3日)