旧外川家住宅
[旧外川家住宅 中門]
薬医門、切妻造、鉄板葺、左右袖塀附属
江戸末期
国指定重要文化財




御師(おし)とは元々「御祈祷師」を略したもので、



神社を参拝する人々の世話をする神職のこと。



富士吉田市の場合は北口本宮冨士浅間神社周辺にある御師の家が有名で、



角行が説いた富士山信仰の指導者であり、



冨士講に参加する人たちに宿泊所を提供する役目を荷っている人のことです。



夏の富士開山の時期には宿を提供し、



登山道情報や登山に必要な食料や装備を提供するなどの世話もしました。



現在、富士吉田市で御師(おし)の家を見学できるのは『旧外川家住宅』のみ。



宿泊施設として開放している家は2軒残っているそうですが、



宿泊しない人が内部を見ることができるのは『旧外川家住宅』のみなんです。



御師(おし)の家は、「おし街」と呼ばれる一角に並んでいます。



金鳥居から北口本宮冨士浅間神社まで真っ直ぐに続く道沿いがそれ。



そのうち、金鳥居に最も近い場所にある『旧外川家住宅』は、



現在、国の重要文化財に指定されています。



旧外川家住宅
門の内側から通りを見る。
通りから奥まった場所にあるのは他の御師の家と共通のようです。


旧外川家住宅
表札にある誉之家(ほまれのいえ)とは、
第二次世界大戦前後に一家から出征した兵士が
戦死したことを指すもの。
それ以外にも様々な表札が掛かっていますが、
文字は見えなくなっていました。


旧外川家住宅
[旧外川家住宅 主屋]
1768年(江戸時代後期)
国指定重要文化財
主屋は約250年前に建てられたそうです。
入館料は100円。
左手の建物で支払います。


旧外川家住宅
玄関には富士登山用の杖と笠、草鞋か置いてあります。

旧外川家住宅
武家の玄関のような玄関。
抜刀しないようにか、天井は低いです。


旧外川家住宅
[世界文化遺産登録の証]
この旧外川家住宅は構成資産に入っています。
名称は「Fujisan, sacred place and source of artistic inspiration」
(富士山-信仰の対象と芸術の源泉)となっています。


旧外川家住宅
旧外川家住宅の間取り。

旧外川家住宅
玄関脇の建物はお勝手で、続く8畳の間は配膳室でもあったようです。
昔は板の間で、中央には囲炉裏が切ってあります。
ただしこの地域では囲炉裏とは言わず、「火地炉」と言います。
ここで登山客が濡れた足などを乾かしたそうです。


旧外川家住宅
銅壷(どうこ)は火鉢の中に置き、お湯を沸かして燗酒をつくる器具。
一升瓶が丸ごと入ります。しかも4本も。


旧外川家住宅
主屋の奥座敷から玄関を見る。

旧外川家住宅
釘隠しも凝った造りになっています。

旧外川家住宅
これは打出の小槌の模様だそうです。
真ん中は何なんだ?
という疑問には答えがありませんでした。


旧外川家住宅
離れから主屋を見る。
左側は浴室になっており、右側の廊下に沿って厠があります。


旧外川家住宅
浴室は昭和時代に改修されたそうです。

旧外川家住宅
浴室の天井。かなり立派な天井です。

旧外川家住宅
[旧外川家住宅 離座敷]
江戸末期
国指定重要文化財


旧外川家住宅
離れに展示されている品々は冨士講に関するもの。
壁に掛かっている褞袍(どてら)は、登山時の防寒用だそうです。
これだけで防寒とは!!


旧外川家住宅
離れの奥座敷はかなり立派で、長欄間が繊細で圧倒されます。

旧外川家住宅
ワタクシ、富士山には登ったことがないのよねぇ~。

旧外川家住宅
旧外川家住宅には誰でも泊まれるわけではなく、
利用できる冨士講は決まっていたそうです。
檀家さんみたいなものですね。


旧外川家住宅
離れの奥座敷の一つ。

旧外川家住宅
釘隠しは冨士講の講社の紋になっています。


旧外川家住宅
離れで最も格式の高い奥座敷。

旧外川家住宅
組子の書院もあります。

旧外川家住宅
釘隠しは丸鉄。
東京浅草の丸鉄講社の紋です。
この離れを造るにあたり尽力した講社だそうです。


旧外川家住宅
戸袋の引き手も講社の紋。

旧外川家住宅
その他の部屋の引き手。
これは富士ですかね。


旧外川家住宅
白鷺か?と思われる引き手もあります。

旧外川家住宅
先達が頭に巻く鉢巻は通常よりもかなり長く、
救急時に使うためでもあるそうです。
滑落した人を助ける、とか。


旧外川家住宅
草鞋は長野県産の高級品。
稲作をしている地域でしか良質な草鞋は作れないそうで、
わざわざ取り寄せていたのだとか。
草鞋に品質の違いがあることを初めて認識しました。


旧外川家住宅
離れの広縁。
かなり広い。



旧外川家住宅
主屋の外観。
広い空き地になっているけれど、ここに何かが建つのかな?




ワタクシの場合、富士山は登るのではなく、見る派。



日本人ならば一度は富士山に登れと言われるけれど、



いいです。下から見るだけで。



でも、登る人々の熱い気持ちは尊重しております。



すごいガッツだなとも思う。



今とは違い、薄い装束で富士登山をした先人たちの体力と気力を感じた



旧外川家住宅見学でした。



ちなみに冨士講にはかなりのお金がかかるそうです。



かなり、というより、莫大な、と言うべきか。



お金持ちしか富士登山できない時代を経て、今があるんですねぇ。



それはそうと、ガイドの方に「日本三大霊山とは」と出題されました。



立山に行っててよかったぁ~



富士吉田市
旧外川家住宅の駐車場にある休憩所に入ると、
お茶のサービスがありました。
メラミン製のカップが富士山模様です。
※売店にて販売していました


富士吉田市
三角コーンも富士山模様。




旧外川家住宅
【御師 旧外川家住宅(おし きゅうとがわけじゅうたく) 】

山梨県富士吉田市上吉田3-14-8
開館時間 9:30~17:00(入館は16:30迄)
休館日:火曜(祝日を除く)、祝日の翌日、年末年始



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