
大正5年にイギリス・ルネサンス様式を基調としたレンガ造りで建てられた、
第2代の山形県庁舎および山形県会議事堂。
中條精一郎を顧問とし、
設計はコンドルの弟子である田原新之助が担当しました。

この玄関は、建物では2階になるらしいです。
※中庭に下りる確かに3階建ての建物でした

結構細かな意匠に溢れた外観。

塔時計は、日本で現在稼動しているなかでは
札幌の時計台に次いで2番目に古いもの。


[玄関]

[中央階段室]


フィニアルの意匠の手すり。


ステンドグラスには月桂樹の葉の輪飾りがデザインされています。

[正庁]
主に訓示や辞令交付等を行った部屋。
重要な会議にも使用された。


天井は花飾り等のある漆喰天井。
左官職人が一つ一つ造ったものなんだとか。


この天井のどこかに、山形特産のさくらんぼとベニバナがあるらしいのですが、
ワタクシには探せませんでした。

左手にはバルコニーがあり、外に出ることも可能。
なれど、暑過ぎ&眩し過ぎたので止めておきました。


寄木細工の床。

[知事室]
執務室として使用されていた部屋。
机・椅子・壁紙が復原。
絨毯は昭和35年に山形で織られ、実際にこの部屋で使用されていたもの。


ここが映画のワンシーンを撮影した部屋だそうです。

[旧高等官食堂]
中央政府から任命されて来た高等官が
知事を囲んで昼食をとる食堂として使用された。
腰板壁はかなり高い。


まるでウィリアム・モリスの壁紙のような配色ですね。

[警察部長室]
暖炉や寄木貼りは当時のまま。

中庭でもロケが行われたそうな。
そういえば見た気がする。


[中庭]
中庭の外壁は煉瓦のまま。
花崗岩は貼られていません。





煉瓦は小口積みですね。

外壁には、山形県産の花崗岩(※)を貼ってあります。
※御影石(みかげいし)とも呼ばれる

旧県庁舎と旧県会議事堂は渡廊下で繋がっています。


[旧県会議事堂]

重要文化財の附(つけたり)指定の渡廊下の屋根にあたる部分。


重要文化財の附(つけたり)指定の渡廊下。
煉瓦及び木造、建築面積48.2㎡、二階建、桟瓦葺


渡廊下の窓は、このように開閉するんですね。


窓を固定する金具。

渡廊下のドアノブ。


昔懐かしい、鍵穴。
こりゃ、覗きたくなりますわ。

[議場ホール]
約250名を収容できます。
湾曲したカマボコ型の「ヴォールト天井」や、左右の柱などが復原されたものです。

[旧県会議事堂]
大正初期の煉瓦造公共建築として数少ない遺構として
重要文化財に指定されています。
煉瓦造、建築面積874㎡、三階建、一部二階建、スレート及び鉄板葺




外壁が違うとこんなにも印象が変わるものなんですねぇ。

[門]
逃げ場の無い陽射しにクラクラしました。
こんなにも見応えのある建物の見学が無料だなんて、
山形県は太っ腹だなぁと感心したワタクシ。
時間の都合上、サクサクと見学しましたが、
それでも印象に残りました。
これは観るべき建物ですわー。
重要文化財に指定されるのも納得です。
そして、観光地としてオススメです。

【山形県郷土館】
文化財登録名称:山形県旧県庁舎及び県会議事堂
正式名称:山形県郷土館愛称:文翔館(ぶんしょうかん)

山形県山形市旅篭町3-4-51
開館時間 9:00~16:30
入館料:無料
休館日:月曜

大正5年(1916年)開館
設計:田原新之助