大聖寺を観光しようと思っていたものの、
天気は悪いわ、駅にロッカーは無いわ、
バスもお高いのになかなか廻っていないわで、
急遽金沢に戻ることにしました。
金沢に戻る特急の車内で、突然
「そうだ料亭に行こう」
と思ったワタクシ。
デッキで「つば甚」に電話を入れるも、
前日までに予約をしないと食材が用意出来ないと丁寧に云われ、
もう一つの候補である「壽屋」に電話を入れました。
ここも完全予約制。
駄目かもなぁ~と思いつつ電話をしたのですが、
快諾して頂き、
今特急の車内で向かっているところだとも伝え、
会席の「楓」をお願いしておきました。
部屋は個室ではなくて相部屋になると言われたのですが、
入れるだけで有難いと思いました。
金沢駅に到着後、駅のロッカーに荷物を入れ、
タクシー(金沢駅から740円ほど)で向かいます。
店構えを観て、「これは!」と思いました。
行き当たりばったりで予約したのですが、期待に胸が高鳴ります。
暖簾をくぐった途端、文化財で食事をするというテンションになる母とワタクシでした。
見るからに「文化財」って感じの店構えですが、
大正期の建物だそうです。
他に昭和・平成に改築された箇所もあるそうな。
築150年を超える大型町家の建物は金沢市の文化財に指定されています。
重厚な造りの入口座敷。
左手が大正期のままの部屋だそうです。
我々は二階に向かいます。
通された大広間は平成に改築されたそうですが、
使っている木材は高級品で素晴らしく、
文化財的な床の間を愛でつつ頂く料理は格別でした。
掛け軸は曽我蕭白(そがしょうはく)の手による仙人図でした。
螺鈿の見事な台に置かれた仏具。
床脇には山姥らしき彫刻も見えます。
その上に載る生け花の籠も見事。
格天井の荘厳なる部屋で食事を頂くのは初めてかもしれん。
欄間は松竹梅の意匠です。
[先付2品]
山葵菜の煮びたしっぽいものと・・・
ワタクシの苦手とするたいの子は母の得意とするものです。
ゆえに山葵菜と交換して貰いました。
初めの日本酒は中村酒造の「日榮(純米)」
熱燗で頂いたのですが、出てきた御猪口は干支でした!
今年の未と来年の申。
粋だなぁ~
[椀物]
蟹しんじょう。
[刺身盛り合わせ]
甘エビ、烏賊、ヒラメ、鮪トロ
蓮に隠れているのは焼き魚です。
ここで二本目の日本酒を注文。
福光屋の加賀鳶(極寒純米)。
蕎麦アレルギーか訊かれたので肯いたら、うどんを用意してくれました。
これは何うどんなんだろう?氷見っぽいけど。
のど越しが大変宜しく、美味しく頂きました。
母に供された蕎麦。
手前が蕎麦湯ですが、薄緑色でお茶のようですな。
鰻入った蒸し物。
既に味の付いている揚げ物。
烏賊団子に下足が沢山入っていて大変美味しかったです。
途中で出てきたサラダ。
鯛の昆布締めが乗っています。
[食事]
苦手なロケーションだ・・・
いくらの下のご飯はもち米を蒸したものだそうです。
いくらは母に取り去って貰いました。
あら綺麗。
いくら臭も無く、美味しく頂けました。
[デザート]
ヨーグルトのパンナコッタだと言われた気がする。
食後に館内を見学させて頂きました。
襖の引手が素晴らしいんです。
思わず撮ったのがお手洗いの飾り。
トイレに掛け軸ってなんだかいいですね。
ってか、今年はトイレの神様に縁があるなぁ。
格式の高いモダンな和室は大正期のもの。
竿縁天井で、欄間もモダンです。
その左手側にある個室。
掛け軸が良いですね。
ここの襖の引手は何だろう?
お庭も拝見。
庭石も素晴らしいです。
基礎に使われている石もそれぞれ異なります。
これは赤石ですね。
サービスに当たって頂いた若い女性の対応が素晴らしく、
とても良い感想を抱けました。
料理も、部屋も、建物も、全てが良かったのですが、
その方の対応の良さが特に記憶に残っています。
全てが上質なエンターテインメントで、約2時間、楽しめました。
急な予約にも対応して頂き、感謝です。
次回もここで食事を楽しみたいなぁ。
金沢の底力を知ったひと時でした。
新幹線が出来て良かったわ。
【壽屋】
石川県金沢市尾張町2-4-13
営業時間 [昼]11:30~14:00(L.O.13:30)
[夕]18:00~22:00(19:30までに入店)
不定休
http://www.kanazawa-kotobukiya.com/
以前お酒の専門誌のプレゼントで当選し、呑んだことがあります
それまで日本酒は新潟のものしか買ったことなかったけど、金沢の日本酒も美味しいなと開眼しました(笑)
ちなみに富山にも美味しい日本酒ありましたよ~