[椎尾山薬王院 仁王門]
江戸時代中期頃のもの。
桜川市指定文化財。
椎尾山薬王院は最仙上人による延暦元年(782年)の開山で、
薬師如来を本尊とする天台宗の古刹です。
1200年も前にできたお寺とはどんなものだろうと思い、
「秋バス」の「薬王院」を下車して参拝して参りました。
本尊薬師如来が身心の苦痛を癒すということで病気平癒の祈願寺となっており、
しかもここは眼病に霊験あるお寺さんなんだそうです。
こりゃぁ、是非、行かねば。
仁王門に行く前に既に崖を登るような石段があります。
下から見上げると門の屋根しか見えない。
仁王門を守る白い龍。
「悪いことをしていると頭から喰われちゃうよ」と近くに居たオジサマ集団に声を掛けられました。
「悪いことをしたことが無い(笑)」とキッパリ言い切って通ったワタクシ。
言われてみれば、口を開けた龍の彫り物って初めて見たかも。
本殿側から見降ろした仁王門。
大工棟梁桜井瀬左衛門によるもの。
ちなみに現在、仁王像は修理のため不在です。
しかし、この拝殿側にこういう門では初めて見る木彫りの像があったんです。
[風神像]
[雷神像]
階段が崩れている箇所は、東日本大震災で被害に遭ったものと推察。
もの凄くバリアフルな石段で、一段は高さ30cmはありそうです。
高所恐怖症気味なワタクシは、心臓がバクバク、太ももがビリビリします。
途中、崩れている箇所もあり、最後は手を使って登りました。
降りるのは怖くて無理。
[本堂]
延宝8年
桜川市指定文化財。
本堂薬師寺如来、因陀羅大将像など指定文化財を多く納めています。
本堂を飾る装飾が見事です。
芸術観賞をしているような気分。
手挟み彫刻も見事。
本堂の天井には龍の画が!
素晴らし過ぎる!
この巨大眼鏡をくぐると眼病に御利益があるそうです。
期待を込めて2回潜りました。
入れて良かったです。
それはそうと、最近このタイプのゴザを見なくなりましたね。
夏場にちょっと欲しいかも。
本堂の装飾彫刻が見事で、一見の価値ありです。
鬼瓦と懸魚と蟇股(かえるまた)は、ワタクシのツボ三点セットです。
全ての形が美しくてキュンキュンとトキメキます。
このお寺さんのファンになりました。
修繕したと思われる懸魚部分。
風化が他と違うので、そう思いました。
蟇股(かえるまた)は車輪にも見えるけれど、なんだろう?
本堂の蟇股(かえるまた)には物語がありそうです。
左側は雷神ですよね。
どういう説話なんだろう?
ってか、カワイイ
縁の下には木材がストックされていました。
古材ですかね。
[鐘楼]
誰でも鳴らすことができますが、大きい音は鳴らさないようにと書かれていました。
鐘の下にはお皿があり、お賽銭が置かれています。
重い鐘を釣るのがこの金物一本だという事実がスゴイですね。
どうやって抜けないようにしているんだろう?
鐘の下は砂地になっています。
鳴らす音の響きに関係があるのかしら?
柔らかい音になるのかな?
鐘には「女人の厄除け云々の文字がありました。
ワタクシも突いてみましたが、大きな音を出さずに鳴らすのって、なかなか難しいもんですね。
[三重塔]
元禄17年,宝永元年(1704年)
茨城県指定文化財。
仏教の祖である釈迦の舎利(遺骨)をおさめる仏塔。
大工棟梁 桜井瀬左衛門安信の手によるもので、
桜井瀬左衛門安信は7年後に成田山新勝寺三重塔を完成させています。
「木鼻」は全て龍になっています。
・・・と思って良く見ると、象みたいなものも居ますね。
元は全て白く着色されていたのでしょうか。
龍の喉部分が白の縞になっていますね。
蟇股(かえるまた)の間に封じ込められた赤鬼。
もしかしたら四方に赤鬼が封じ込められているのかもしれません。
行に登って来た石段。やはり帰りは怖くて降りれませんでした。
ここから筑波山に登るのかもなぁと思って見た道。
[スダジイ樹叢(じゅそう)]
椎尾山薬王院境内と裏山2.6haにわたり、スダジイ(椎)が群生しています。
中には樹齢500年を超える巨木が数十本あるそうで、
それらは「スダジイ樹叢」として天然記念物に指定されています。
日本におけるスダジイ樹叢の北限にあたります。
ちなみに椎の木の左手にある社祠はお稲荷さんではないかなと思います。
三重塔を見るべく階段を上がったのですが、
そこから先に行こうと思ったら木鼻の狐らしきものが目に入ったもんで、
一礼して撤退しました。
石の台座に像が無かったので未確認ですけれども。
お声掛け頂いて、甜茶を頂戴しました。
お釈迦様の誕生日に釈迦像にかけるものだそうで、普段は甘酒なんだそうです。
「秋バス」イベント期間につき、特別に供されています。
アレルギーに効くみたいですね。
ワタクシが新宿から来たもんで、
小さい方の「福来みかん」を持って帰りなさいとご住職に言われました。
一つ頂きましたが、大きい方は食べて帰りなさいと言われたので、
バス内で出会ったココだけの同行者と半分こさせて頂きました。
もう一度、是非是非足を運びたいお寺さんです。
ただし、標高200mの場所にあるもんで、車の力が必要。
「秋バス」などの循環バスが出る特別なシーズンに再訪しようと思っています。
めっちゃオススメです!
【椎尾山薬王院(しいおさん やくおういん)】
桜川市真壁町椎尾3178
JR水戸線岩瀬駅からタクシーで約15分