六華苑は、実業家二代目諸戸清六の新居として
明治44年(1911年)に着工し、大正2年(1913年)に竣工した邸宅です。
洋館・和館の他に建物が複数存在し、
東諸戸邸の総称として「六華苑」と呼ばれています。
国の重要文化財であり、名勝でもあります。
平成26年4月中旬から8月29日までの期間、
洋館の外壁塗装等の痛んだ部分の修理を行ったそうで、
ブルーの外観が目に鮮やか。
この周辺は整備され、一大文化的観光地になるようですね。
先ずは、護岸と駐車場の整備がなされていました。
道を挟んだ向こう側に六華苑の入口があります。
ここは諸戸氏庭園と違って、開園期間の縛りがないみたい。
この門が苑への入口。
昔の門番と同じように、ここで切符を買います。
門前の樹。
結構な巨樹候補でした。
通路を進むとジョサイア・コンドル設計の洋館が見えてきます。
この敷石の幅は、人力車が通る程度かな?まさか門からは歩かないと思われるのだけど。
ちなみに右手奥には車が通れる門が別に存在します。
左の洋館と右の和館が隣接している様はこの時代の日本独特で愛おしくなります。
洋館の玄関。
玄関扉のステンドグラス。
玄関照明。
長澤製作所の「古代」というシリーズの錠。
洋館の角は塔屋になっています。
(内部に螺旋階段がある)
窓ガラスにも模様があります。
内部が丸見えにならない工夫かも?
よく見ると湾曲している窓とガラス。
設計者コンドルの好みなのかは不明ですが、
換気口に家紋が入っているのは旧古河邸でも見られます。
洋館玄関上はベランダになっていると思いきや屋根でした。
見学者入口。
(諸戸家お抱え大工だった伊藤末次郎が棟梁を務めた和館)
屋根と入口がちょっとずれている感があるなぁと思っていたら、
入口右側にだけ壁があるからなんですね。
松がいい格好ですね。
和館入口の右横には蔵もあります。
また、蔵の奥にも別棟があります。
かなり間口の広い玄関。
扉が四枚になっていますね。
和館の玄関と洋館は直接繋がっていないんですね。
和館入口から入って、渡り廊下を通りオフィシャルな空間へ。
右側が和館、左側が洋館。
左の漆喰の壁の向こうは洋館のトイレ(水洗)になっています。
和館の和室周囲を巡らせてある廊下。
板廊下の軒。
結構深いです。
畳敷きの畳廊下の奥に「竹節欄間」があり、
この先の部屋の格が高いことを示しています。
圧巻の和室。
殿様の御殿のようです。
正面が奥の間。
襖は4枚立て。
照明器具と、その下の釘隠し。
金具類にも細工が施されています。
襖の引手。
床の間手前に照明が付いているのが珍しい。
床の間の畳縁は紋縁(高麗)。
摩耗している畳縁もあります。
座して観る庭も素晴らしいです。
視界の端に見える洋館か面白い。
石の積み方も面白い。
手水の石もかなり大きくて凄い。
犬走が巡らせてあるのも贅沢。
庭・裏庭などを通って建物外周を散策できます。
雨が降っていたらちょっと怖いかもしれない飛び石。
蔵の扉は黒漆喰。
中は何があるんだろう・・・見てみたい。
幅の広い畳廊下。
壁には剥落防止の和紙が貼ってありますが、
この辺りから“裏”でお手洗いなどがあります。
洋館の一階。
奥が玄関です。
部屋のドアノブは木製。
ダイニング。
室内に差し込む陽の光は控えめです。
リビング。
家具もオリジナルみたいです。
各部屋が広すぎて贅沢です。
天井の照明もオリジナル。
こちらは部屋の広さにしては意外と質素かも。
壁紙は輸入物かな。
ダイニングとリビングの間にある引手にもシンプルなデザイン。
天井の漆喰が照明とマッチしております。
暖炉の周囲のタイルがとても綺麗なんです。
家具は全て分類されているっぽい。
洋館の階段。
直線的なデザインですが・・・
ステップのコーナー部分は優雅なカーブ。
手すりのデザインもシンプルです。
先の写真にあった窓ガラス。
昭和の建物にありがちな模様だったわ。
切妻やら寄棟やらが混在する屋根。
瓦の使用枚数が凄そうです。
これだけ焼くのも大変だろうなぁ。
塔の階段。
塔の部屋。
ジブリ映画に出てきそうな雰囲気です。
子供の頃にロッキングチェアに憧れたなぁ。
でも友達の家で座らせて貰ったらその不安定さにビビった。
鬼瓦。
昔は中央に家紋が入っていたのかもしれませんね。
階段を上がって右手にある女中部屋。
二階にある部屋には家具が殆ど置かれていません。
なんだか暗いと思ったら、天井に照明が無いんだわ。
壁に設置された照明は部屋に似合っていてカワイイのです。
ここにも暖炉。
ドアから直ぐの場所にあって危なくないのかな?
コチラのタイルは緑。
暖炉の形状も一階とは異なります。
書斎。
サンルームに抜ける扉があり、開放的な空間です。
照明器具は似ているけれど、漆喰部分のデザインが部屋によって異なります。
金魚鉢みたいな照明器具。
これ、好み~。
入室禁止の和室。
なんだかモダンな和室ですね。
と思ったら、襖の引手が葡萄っぽく見える。
これが外から見た先の和室。
窓ガラスが大きいので、景色を観る部屋かも。
ちょっと近くに寄ってみる。
さて、庭も池泉回遊式日本庭園で散策し甲斐があります。
木製の橋があったり、石畳の道があったり。
庭の外にレンガ積みの塀を発見。
煉瓦に焼かれた場所の刻印がありますが、詳しく見えない。
庭から見た洋館。
不思議な景色。
隣の和館には似合わないヤシの木が見えます。
実は洋館と和館はピッタリとくっ付いているんです。
行田市の蓮がこんなところに・・・。
友好都市になった経緯が気になる。
和館の奥にある蔵。
下は白漆喰、上は鼠漆喰ですね。
裏庭も意外に広いんです。
そして蚊がいっぱいいる。
一階建てですが、天井が高いのが外から見ても分かりますね。
別棟に行く渡り廊下。
独り暮らしだったらこれぐらいの建物がいいな。
[旧高須御殿]
高須藩の御殿の一部を移築したものと伝わる。
障子ではなくガラスが填まった開口部。
来客中は避難出来ていいですね。
[玉舟稲荷社]
敷地の奥にあります。
偶然にも屋根の上にカラスが止まっていました。
一体化してるな・・・
写真には入っていませんが、近くに鳥の躯が・・・
庭から見た洋館。
ヴィクトリア朝住宅の様式を基調としている。
洋館より広い和館が壁を接して直に接続されています。
外壁の板が防腐処理で焼かれ木目が出ていて綺麗。
縁の下には大量の屋根瓦がストックされていました。
庭の木々も昔は低かったんでしょうねぇ。
【六華苑】
三重県桑名市桑名663-5
見学可能時間 9:00~17:00(入苑は16:00まで)
休苑日:月曜