メトロシデロス・エクセルサ




昔、NHKの日本語講座的な番組で、



『おざなり』と『なおざり』について演劇仕立てで解説しておりましたが、



イマイチきちんと理解出来なかったワタクシ。



今までで一番苦手な日本語の二つでした。



しかし冷静に考えれば、漢字が違うはず。



そこで改めてこの二つの言葉に向き合ってみることにしました。



「おざなり」を漢字で書くと「御座形」。



「お座敷(宴会)の席で形ばかりを取り繕ったこと」に由来し、



そこから「いいかげんに物事をすること」を表すようになりました。



一方の「なおざり」は、「等閑」と書きます。



これは漢語の「等閑(とうかん)」の当て字です。



漢語でも意味は同じ。



でも、なぜ「なおざり(等閑)」と言うのか、



由来は諸説あって定かではありませんが、



「おざなり(御座形)」とは意味が異なります。



「なおざり(等閑)」は【何もしない】のです。



「おざなり(御座形)」と「なおざり(等閑)」の共通点は【いいかげん】なところ。



でも、【する】か【しない】かが明確な違いなんですね。



【いいかげんに何かをする】か、



【いいかげんで何もしない】か。



たとえば「いいかげんに返事をする」と言う際は、



「おざなり(御座形)に返事をする」というのが正解。



いいかげんであっても、返事を【する】からですね。



「言われた仕事をやっていない」場合は、



「なおざり(等閑)」を使う、と。



とりあえずは、漢字を思い浮かべてから、



二つの言葉を使い分けたいと思います。



ちなみに「等閑」を「トウカン」と読む場合、



熟語にすると「等閑に付す」となります。



「物事を軽くみて、いいかげんに扱う。顧みないで放っておく」という意味。



すなわち、「なおざり」と同じ。



「等閑に付す」は「トウカンにふす」と読み、



「等閑にする」は「なおざりにする」と読む。



日本語って、複雑ゥ~




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