子供の頃、学校行事で文楽を観に行かされておりましたが、
結構苦痛で、毎度睡魔と闘い続けていたことを思い出します。
しかし年齢を重ね、様々なものを見て来た今は、
なんだか文楽が面白く感じるのです。
歌舞伎とは違う面白さがあるというか。
と申しましても、極めた方の芸を観るに限りますが。
さて本日、仕事関係の方にお誘い頂いて国立劇場に行って参りました。
本日たった一日のみの公演で、そのうち夜の部を観劇しました。
桐竹紋壽先生の舞台生活67年の公演で、
ワタクシ目的の演目は「ロック曽根崎心中」。
宇崎竜童さんが作曲した歌に合わせて進む演目で、
個人的には不思議な感じがしました。
これまた個人的には、斬新なロックで観るより、
太夫が浄瑠璃語りをする従来型の方が好みのようです。
実は生まれて初めて見た文楽が曽根崎心中で、
当時は全く意味が分からなかった覚えがあります。
死ぬの? 死なないの? どっち!?
とイライラした覚えすらあり。
小学生だったもんで。
ちなみに紋壽先生には、
以前、楽屋にお邪魔させていただいた時に優しく接していただき、
人形について分かり易く教えていただきました。
あれから四年近く経過しましたが、
今日はそのことを懐かしく思い出しつつ、鑑賞致しました。
先生の遣う人形はとても品のある色気があるんです。
それを観ていると、人も、手の所作が大切なんだなぁと思います。
と、自分の手を見ると、そこには今夏“こげパン”と言われるほど日焼けした皮膚が・・・
今更なれど、お手入れでも始めようかな。
と、クリームを塗りたくってみたり。