
村上駅からてくてく歩いて観光地エリアにやって参りました。
軒先から鮭を吊っている建物がチラホラ見られる。
そのうち、軒の鮭が目立つ建物に到達しました。
コンデジを持ってくれば良かったと、それを見上げていたら、
建物の中から女性が出てきて
「中から鮭が見られますよ」と声を掛けてくれました。
どうやらここは観光案内だったようです。
市役所のホームページを確認したところ、
村上市コミュニティデイホームを改修して
2023年4月1日に観光案内所としてオープンさせたとか。
今は閑散期のようで観光客が少ないからか、
とてもひっそりと営業していました。

入口の土間では観光客が休める椅子が並んでいました。

こも建物の所有者だった老夫婦は、ここで駄菓子屋を営んでいたとか。

村上市の「歴史的風致形成建造物」に指定されていました。
堆朱のプレートが村上らしくて素敵です。

指定書が壁に掲げてありました。

土間から引き戸を開けて中に入ると立派なお座敷「茶の間」があります。
2025年12月11日に「村上祭の屋台行事」がユネスコ無形文化遺産登録されました。
それを記念して、2026年2月27日まで屋台巡行を再現した模型を展示しているそうです。
「村上大祭」と呼ばれるお祭りは、毎年7月6日・7日に行われますが、
そのお祭りに、軒先で干されている鮭が欠かせないのだとか。

新設されたであろう上り易い階段を使って二階に上がります。
天井にボードが貼られているのが気になったので伺ったところ、
警報器を付けるために設置したのだとか。
確かに天井に白い警報器が見えます。

この視点から梁を見ることがなかったので、面白い。
重そうな梁を維持する木材の組み方、継ぎ方も興味深い。

二階の床の間がかなり立派。
天井板も柱も全て漆塗りのように見えます。
朱がはいっているのかな。
窓の欄間には、ここからは見えない富士山が彫られていました。

二階は収納スペースはかなり少ないようです(または、無い)。
物を二階に置かない工夫が感じられます。(理由は後述します)

二階の中の間からは一階が見下ろせます。
夏はかなり涼しそう。逆に冬はめちゃくちゃ寒そう。

三部屋ある壁側から床の間のある部屋を見るとこんな感じ。

二階の窓を開けて軒先の鮭を見せて貰いました。
逆光で上手く撮れない。
この鮭は地元の小学生が学校の授業で作るんだそうです。
これらは夏のお祭りまで干され続け、お祭りで酒浸しで食べられるんですって。
子供たちは鮭ジャーキーとして食べるらしい。

床の間から最も離れた和室の脇に従来の階段がありました。
この階段を降りると一階の「茶の間」に出ます。

茶の間の右側に階段があります。
階段の隣には仏壇があったそうです。
「(地袋が)黒柿じゃないですか」と言ったら、
「そうなんです。なかなか採れないてせすよね」と頷いて居られましたが、
かなり立派な仏壇があったのだろうと思われます。
(ここに仏壇があることにも意味があります。後述します)

採光できる壁が少ない町屋の貴重な庭。
雪で覆われていますが、右手に樹齢何百年だよってぐらい立派な梅の木があります。
こんなに成長した梅の木を初めて見たかも。
毎年、南高梅のような大粒の梅の実が取れるんですって。

一階の奥座敷も立派です。正面の襖には、屏風の絵がは取り外されて貼ってあるそうです。
村上は屏風文化も有名で、毎年9月に「町屋の屏風まつり」というイベントが行われるとか。
屏風はこの地では「嫁隠し」と言うんです、と案内所の方が笑って居られました。

立派な磨き丸太の梁にも朱が塗られているようです。
この地の伝統工芸品に堆朱がありますが、その流れなのかしら?
窓ガラスが昭和レトロですねぇ。

入口の土間に戻って参りました。
ここで吊るされている鮭(布製)がめちゃくちゃ気になるので伺ってみました。

ちゃんと「塩引き鮭」のように腹が開かれています。芸が細かい。
伺ったところ、この場所で三人の方が制作されていて
小さい作品は村上駅の観光案内所で販売されているんですって。

制作途中の作品を見せて頂きました。
これに目などを入れて、いずれは観光案内所に並ぶらしい。
↓

駄菓子を販売していた頃は、茶の間前の土間で「ばくだん(ポン菓子)」を作っていたそうです。
そして写真が掛かっているこの場所には、焼き芋を作る機会が置いてあったんですって。
壁にその煙突を通して排気していたそうです。
この壁の隣は隣家の壁ではなく樹木が植わっていたからで来たことらしい。

間口が広いので、税金も高かっただろうなぁ。

町の説明です。
実際、となりに鍛冶屋があります。

時間が早すぎて見学はできなかったけれど、通常は中が見学できるらしいです。
寒さなどの理由から、この辺りの伝統的な町屋は隣家とは壁一枚で繋がっています。
これにより、外気に触れる壁面が減りって、隣家と互いに熱を保ち合う形になります。
長屋のような構造ですかね。
隣の熱が伝わる構造ということは、出火した場合は延焼は免れないため、
持ち出せるものを家の手前に置くという考え方があるらしい。
その持ち出すものが仏壇の御位牌やご先祖様の写真になるそうです。
(持ち出すのは写真乾板)
だからこの建物の仏壇の位置が入口直ぐの茶の間にあるんだとか。
二階に押し入れなどの収納スペースが無いのは、
身軽であることに重きを置いていたからなのかもしれませんね。
最近リフォームされた家は隣家の壁から離されて作られていますが、
その分、居住スペースは減ることになります。
隣家の壁で暖を取れなくなることについては、
近年は高気密高断熱住宅ですから問題はないかと。

近くに、隣家が取り壊されている分かり易い建物かありました。
ブルーシートの部分が隣家と接していた部分なんでしょうね。
↓

伝統的に家を建てたいとなると、隣家の屋根以上の高さにはできませんね。
これからは壁を離して全国一律の住宅が並ぶ街になっちゃうのかもしれません。
住みやすくなるだろうけれど、味気ない街並みになりそう。
この街を観光するなら、建物内部を見せてくれる場所に立ち寄った方が良いと思います。
表面だけの観光よりも町の姿がよく分かります。
近辺には建物の内部を見学させてくれるお店が何軒かあるらしいのですが、
早朝からは開いていないことと、時間に制限がある観光では効率よく回れない。
ゆえに早い時間から開いている『村上市町屋造観光案内所』は大変貴重だと感じました。
ちなみに見学は無料です。
トイレ休憩にも使えるそうですよ。

【村上市町屋造観光案内所】
新潟県村上市鍛冶町2-3
(JR羽越本線「村上駅」から徒歩約15分)
営業時間 9:00~17:00
定休日:年末年始
https://www.sake3.com/spot/1925
(JR羽越本線「村上駅」から徒歩約15分)
営業時間 9:00~17:00
定休日:年末年始
https://www.sake3.com/spot/1925






















