予てより建物内を見学してみたいと思っていた吉池小児科医院。
毎週第3日曜日から一週間だけ公開されると知り、
今月最後の見学日に行って参りました。
110年の歴史を持ち、2023年1月に閉院した山形市十日町2丁目の「旧吉池医院」をまちづくりに活用しようと、大学や設計関係者らでつくる「近代建築山形ミュージアム委員会」が今月中旬、内覧企画展を計画している。旧吉池医院は同市の文翔館の設計顧問を務めた建築家中條精一郎(米沢市出身)の設計で、中心市街地全体の魅力アップにもつなげたい考えだ。
院長の吉池章夫さん(小児科)と妻(皮膚科)で医院を営んでいたが、2023年1月に閉院し、吉池さんは約半年後に77歳で亡くなった。閉院とともに建物が失われかねないとして吉池家に活用を打診し、了承を得て2023年11月3日、東北芸術工科大や設計事務所の関係者などで同委員会を立ち上げた。(山形新聞2023.11.15より一部年月を加筆)
窓枠が木製で、一週まわって今っぽくて新しい感じ。
折れたポールが見えます。アンテナか?
エントランスは割とシンプル。
見学は昨年11月よりスタートしたようです。
病院だったころは土足だったと想像されますが、
現在は建物保存の観点からか入り口で履物を脱ぐことになっています。
ここで出されるスリッパは有志の方の寄付なんだとか。
エントランスの階段の最上段が木製になっていますが、
現在はこの下の石の部分で靴を脱ぐことになっています。
控室の札が手書きっぽくて味がある。
待合室前の廊下は白漆喰塗で明るい雰囲気。
待合室。
ベビーベッドの上に棟板(棟札)が置いてありました。
天井は格天井でかなり凝った造り。
填まっている天井板も名のある樹種だと思われます。
屋久杉とか檜とか?
診察室の窓も凝っている。
こちらはレントゲン撮影室。たぶん。
木製ドアがいい味出してます。
診察室を別の角度から撮る。
窓の向こうは隣接する駐車場です。
診察室を別の角度から撮る。角の開口部が待合室に繋がっています。
診察室に隣接しているのは処置室なのかな?
なぜかこんなところに展示してある奥様のピアノ。
かなりコンパクトですね。
カーテンが掛かっていたと思われるレールがあるのだけれど、
この角度になっている意味がちょっと分からない。
処置室内の手洗い場。
昭和感があるけれど凝った造り。
温度計と湿度計がレトロ。ついでに照明器具のスイッチもレトロ。
通気口らしきところの詰め物。
書籍のページを破って詰めたんだろうか?
すごく気になります。
こちらは階段脇の廊下。
背中側に別棟に向かうと思われる出入口があります。
廊下の天井が船底みたいで面白い。
廊下に置いてあった長椅子。
以前は診察室に置いてあったようです。
こちらが廊下の先(二つ上の写真の背後)にあった出入口。
病室があったようです。
二階への階段。かなり急です。怖いです。
漆喰塗の壁と木材のコントラストがお洒落。
昭和時代のかなり高級な病院という感じがしました。
調べたところ、大正元年(1912年)の開業時は眼科だったようで、
その後、小児科と皮膚科の診療所に変更していました。
代々医師ってことは、地元の名士だったのかもなぁ。
二階も見どころが多いのですが、劣化も激しくて心配です。
ということで、続く。
【旧吉池医院】
山形県山形市十日町2-4-16